研究課題/領域番号 |
62304019
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
高城 成一 岩手大学, 農学部, 教授 (60005999)
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研究分担者 |
甲斐 秀昭 九州大学, 農学部, 教授 (60038198)
平田 煕 東京農工大学, 農学部, 教授 (70011872)
小島 邦彦 東北大学, 農学部, 教授 (70005669)
但野 利秋 北海道大学, 農学部, 教授 (40001440)
茅野 充男 東京大学, 農学部, 助教授 (10007677)
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キーワード | 根圏 / ムギネ酸 / アルミニウム耐性 / リンゴ酸 / 水素イオン放出 / 窒素固定細菌 / VAミコリザ / 難溶性リン酸塩溶解菌 |
研究概要 |
農業生産の発展を計る上で、作物の生育と土壌環境の関係の把握が欠かせぬことは言うまでもないが、根と土壌の接点をなす根圏の場の存在を無視して上記の関係を的確に捕えることはほとんど不可能であろう。本研究では、根圏における根の分泌成分や各種の微生物活動および養分イオンの挙動等に関する実験・調査を通して、根圏の場に介在する各種の作物生育制御要因の動態を明らかにするため、各分担課題の検討を続行した。以下に、結果の要点を摘記する。 1.鉄ストレス下のオオムギ根によるムギネ酸の周期的分泌は概日リズムの支配下にあり、その1日当り分泌量は一般のアミノ酸類の合計分泌量の優に上まわる。本物質は高pH石灰質土壌から極めて効率的に鉄を溶出し、根による鉄の選択吸収を保証する。Rhizobox法による測定の結果、オオムギ根圏土壌溶液のムギネ酸濃度は10^<-6>Mのオーダー(植物の鉄要求を満たすに十分なレベル)であった。2.コムギのAl耐性品種、IAS58は、高Al培地の下で非耐性品種PIMA77の十数倍に及ぶリンゴ酸を根から放出する。このリンゴ酸が根圏土壌中のAl^<3+>イオン解毒の主役を演じている。3.根によるH^+及びHCO^-_3放出の種々の側面とその放出が根圏土壌のpHや養分イオンの動向に及ぼす影響に関し、新たな観点からする問題点の整理を試みた。4.水稲根圏におけるCO_2の由来と挙動に関する一連の解析実験を通して、根圏土壌のpH,Eh,およびメタンと硫化水素の生成におけるCO_2の意義、位置づけを明らかにした。 以上のほかに、根による各種の有機化合物分泌とその栄養生理的意義、水稲根圏における窒素固定最近の動態、黒ぼく土壌における作物生育とVAミコリザ着生の関係、鉄欠乏イネにおけるムギネ酸類緑化合物の動態、および作物根圏内外の土壌における難溶性リン酸塩分解菌の分布と消長等に関して、それぞれ重要な知見や見解が提示された。
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