研究分担者 |
長野 敏英 東京農業大学, 総合研究所, 助教授 (10012006)
足立 忠司 岡山大学, 農学部, 教授 (20012007)
木村 真人 名古屋大学, 農学部, 助教授 (20092190)
但野 利秋 北海道大学, 農学部, 助教授 (40001440)
杉 二郎 東京農業大学, 総合研究所, 名誉教授 (20078231)
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研究概要 |
地球上には, 沿岸域のみならず, 内陸部にも, 広い面積にわたり, 海水中の塩類あるいは岩石の風化により溶出した塩類の影響を受けて生成した塩性土壌が分布しており, これらの土壌中に含まれる塩化ナトリュウムあるいは硫酸イオンが植物の生育を著しく阻害しているため, 不毛地のまま放置されている. 本研究は, これら塩性土壌の環境特性を明らかにし, その制御のための手法を開発するための基礎的知見を得ることを目的としている. 第一年度に当たる本年度に, これら間題土壌の作土の改良及び下層中に含まれる塩類, 硫酸イオンの毛管力上昇及びその悪影響の防止の方策を確立するために, 作土層及び下層土の室内モデル実験を行ない, 阻害物質の根の生育に及ぼす影響についての基礎的研究を実施した. 研究結果を要約すると次の如くデある. 1)作土中の塩類集積防止に対した有効な毛管水切断層の設定位置及びその構造について, 円筒カラムによる鉛直一次元方向の毛管上昇・降下浸透実験から水分移動現象をとらえる事により検討し, 毛管上昇については, 切断層のマトリックポテンシャルを小さくとれば地下水位に関係なく毛管水を切断することができることを示した. 2)干拓地土壌を対象として, その乾燥に伴う酸性硫酸塩化過程を土壌水分との関連において検討し, 乾燥に伴う酸性化の程度はそれ程大きくはないが, EC値の小さい程その程度は大となることを明らかにした. 3)塩類土壌において透水に伴うECの低下は, 有機物, 粘土の分散をもたらし, その結果透水係数が著しく低下したが, 堆肥の施用は粘土, 有機物の分散を完全に抑制した. 4)A1耐性を異にする植物を供試して, それらのアルミニュム障害発現濃度とその耐性機構を検討し, 根組織及び細胞に対するA1の侵入を防御する機構(A1排除能)が最も重要なA1耐性機構であると理解された.
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