研究分担者 |
田代 裕 関西医科大学, 教授 (40077558)
星 猛 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 学部長 (60004537)
今井 正 国立循環器病センター, 研究所・薬理部, 部長 (40049010)
西山 明徳 東北大学, 医学部, 教授 (90004556)
菅野 富夫 北海道大学, 獣医学部, 教授 (50009982)
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研究概要 |
本総合研究班では、胃、小腸、大腸、腎、膵、ダ液腺、涙腺等、種々の機能を有する上皮細胞の生理機能及びその機構解明にむけて、単一細胞レベルの研究方法を確立することにある。本年は2年目でかつ最終年である。これまでのように細胞全体を平均化した情報を得るのではなく、1個の細胞内におけるメッセンジャーの分布--例えばCa^<2+>, イノシトール燐酸, H^+, CAMP等--を測定し、細胞内に局在化して存在化する能動輸送機能子--例えばポンプ, イオンチャネル, キャリア, アンチポーターの作用制御に、班員の研究は集中してなされた。谷口は胃酸分泌のH^+ポンプであるH、K-ATPasaの類似H、K-ATPaseが大腸後半にも存在することを示し、酸文泌細胞内がアルカリ化すること、その細胞内pH分布が複雑な様相を示すことを蛍光画像解析によって示した。菅野はエネルギー代謝状態とCa^<2+>との関連を膵細胞で明らかにした。西山は、消化腺細胞におけるCI^-チャネルやアンチポーターの局在を明らかにした。今井は腎における分泌・吸収機能が部位において異なることを、異なる能動輸送機能子の分布より明らかにした。星は小腸吸収細胞表面における局在化したpH酸性層の存在を明らかにし、吸収機能との関連を示した。田代は胃主細胞や壁細胞における刺激に応じた細胞内Ca^<2+>動員を画像解析を使って明らかにした〓 岡田は小腸細胞における細胞体積調節に関与するイオンチャネル群の存在とその調節機構の存在を示した。 蛍光画像解析法やパッチクランプ法を単一細胞レベルにおいて使用することは、本研究2年目において急速にポピュラーになった。これらの方法を使った新しい成果が次々と出されてきたことが、本年度の班会議(昭和63年10月)において明らかになった。
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