研究分担者 |
大村 恒雄 九州大学, 大学院医学系, 教授 (80029933)
牧田 章 北海道大学, 医学部, 教授 (60004561)
勝沼 信彦 徳島大学, 酵素科学センター, 教授 (50035375)
立木 蔚 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (90006065)
加藤 敬太郎 九州大学, 薬学部, 教授 (70037571)
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研究概要 |
加藤,勝沼,牧田らは, リソゾーム膜蛋白質の糖鎖による修飾がその蛋白質の局在化に及ぼす影響, カテブシンの特異的阻害物質シスタチンβのグルタチオン化がカテプシンに対する阻害活性を変動させる機構及びGlcNAcホスホトランスフェラーゼが糖鎖付加により活性変化を受ける機構をそれぞれ追究し, 蛋白質が修飾されることによりその蛋白質の局在性あるいは活性が変化し, 生物学的活性が制御されていると考えられることを明確に示した. 大村,田代らはミクロゾーム酵素, カルボキシエステラーゼE1及びチトクロームPー450についてそれぞれミクロゾームへの定着とミクロゾーム内での分解の機構を酵素蛋白化学的並びに遺伝子工学的手法を用いて追究した. その結果, 前者はミクロゾーム蛋白質の本オルガネラへの定着は蛋白質分子内のアミノ酸配列が関与するものであるが, 特定の一種のアミノ酸配列によって行われるものではないことを明らかにした. 後者は, チトクロームPー450を含むミクロゾーム蛋白質の分解が糖鎖付加などの修飾が分解の発端となるのではなく, 小胞体全体が貧食胞に摂取され分解されるものであることを明らかにした. 立木, 堀内らは細胞膜蛋白質のうち, シアリダーゼ及び修飾された蛋白質を特異的に結合するいわゆるレセプターについて解析を行い, 膜結合性シアリダーゼには二種のものが存在すること, 及びレセプターには幾つかの特異性の異なるものが存在することを突き止めた. 坪井は, 能神経細胞内に存在するカルボキシメチル転移酵素の基質蛋白質を解析し, 微小管結合高分子量蛋白質とチューブリンがよくカルボシメチル化されること, またその他に分子量3万の細胞質蛋白質もよくメチル化されることを証明した. 現在これらの実験事実をもとにして, 老化促進マウスを使用して脳神経細胞細胞質蛋白質のメチル化能の変化と老化の関係を追究している.
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