研究課題/領域番号 |
62304044
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
高橋 三郎 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20079916)
|
研究分担者 |
本間 研一 北海道大学, 医学部, 助教授 (40113625)
佐々木 日出男 筑波大学, 教育研究科・心身障害学系, 教授 (00215724)
高橋 康郎 東京都神経科学総合研究所, 研究部長 (00073057)
井深 信男 滋賀大学, 教育学部, 教授 (70110757)
高橋 清久 国立精神神経センター, 神経研究所, 部長 (30073076)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1989
|
キーワード | 時間生物学 / 概日リズム / 感情障害 / 季節性うつ病 / 光パルス療法 / メラトニン / 睡眠の覚醒リズム / 重症脳障害児 |
研究概要 |
生物時計の異常が関係していると考えられる疾患において、生物時計のどの機能が異常か、それをどう治療するかを目標とした。 1.動物を用いた実験的研究。光周動物ゴ-ルデンハムスタ-を用いて光周反応性と過去の光経験や個体の発達段階との関連性を立証した。ラットで飼育環境の違いによって、フリ-ランニングリズムの周期が変化すること、松果体リズムは母のリズムはメラトニンを介して子に伝達されることが示された。短日低照度条件下のラットと概日リズムは後退し、光パルスで前進するので、季節性感情障害の動物モデルになる。 2.ヒトの時間生物学。隔離室内で被検者は光に対し位相反応曲線があることを確認。健常者の夜間メラトニン分泌の光抑制には個体差があり、光感受性が東洋人で低いと考えられる所見をえた。経口摂取不能の経管栄養の患者では、間欠投与で、グルコ-ス、インスリン、NEFAだけでなく血中コルチゾ-ルのリズムも移動することから、食餌摂取パタ-ンが同調因子となることがわかった。重症脳障害児でリズム異常があることから、時計機構の脳内部位を推定できることも知った。 3.臨床研究。マスメディアを通じての広告により、季節性感情障害の全国施設共同研究を実施、46例の症例を得、この発症と季節との関係、臨床症状の特徴などを諸外国の報告と比較検討した結果、共通点が多いが、日本の症例は男女比が1:1.4で比較的男も多いことがわかった。光照射装置の試作、共同購入し、これらに光パルス療法を適用し有効性を確認した。この他、睡眠相遅延症候群、自閉的登校拒否児、リズムの崩れた老人性痴呆などにも光療法が有効であることがわかった。体温リズムの分析により,種々のうつ病患者で、光療法によりリズムの前進が認められるが、臨床効果とは必ずしも相関しないことがわかった。
|