歯周組織の宿主応答機構に関する研究

1989 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 62304048
• 研究機関: 神奈川歯科大学
• 研究代表者: 斎藤 滋 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (80084713)
• 研究分担者: 小沢 英浩 新潟大学, 歯学部, 教授 (60018413) ; 高橋 和人 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (00084707) ; 飯田 正人 奥羽大学, 歯学部, 教授 (00135485) ; 北野 繁雄 明海大学, 歯学部, 教授 (30049374) ; 森 政和 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20066963)
• キーワード: 歯周組織 / 歯周病病原菌 / サイトカイン / 線維芽細胞 / 骨芽細胞 / 遺伝子クロ-ニング

研究概要

本研究の目的は歯周組織を構成している宿主細胞が生体浸襲、特に歯周関連細菌由来物質や口腔環境の変化に対応して、いかなる宿主応答ならびに、防御機序が発現されるかを形態学ならびに機能学的に検索せんとするものである。すなわち、本研究では浸襲に対する生体反応を、(1)Whole animalレベル(2)lsolated tisueeレベルならびに(3)cell ClutureレベルからそれぞれのHost Responseを追求すると共に、Lymphocyte-Macrophage条ならびにその他の遊走細胞による生体防御機構について究明を試み、歯周組織の病体発現機序の解明を通して、生体組織の健康維持と向上のためのメカニズムの探索を試みた。
最終年度まとめの発表・討論された内容は、それぞれの分担研究者のもつ創造的研究発想と手段によって初めて達成される極めて卓越した成果が得られた。これらは決して、歯周疾患発現のメカニズムの究明だけの問題ではなく、生体に加えられる多様な浸襲に対する宿主応答機構の基本的開拓手段を提供するものとして極めて価値ある成果が得られたと確信している。

研究成果

• [文献書誌] Tsukamoto,Y.,Fukutani,S.and Mori,M.: "Stimulation of human dental pulpal fibroblasts by phenol-camphor" Dentistry in Japan. 26.
• [文献書誌] Hanazawa,S.,Amano,S.,Kitano,S.,Hamano,A.,Katoh,H.,Honda,T.,Takada,M.and Hirose,S.: "An Epstein-Barr-virus-transformed Bcell line Produces autoregulatory terleukin-1 that regulates bone remodeling" Biochem.Biophys.Acta.1012. 57-63 (1989)
• [文献書誌] 鎌形有祐、宮坂信之、井上祐子、橋本純子、飯田正人: "ヒト炎症歯肉組織から産生されるサイトカインに関する検討-特にインタ-ロイキン6について-" 日本歯周病学会会誌. 31. 1081-1087 (1989)
• [文献書誌] Oguro,I.and Ozawa,H.: "Cytochemical studies of the cellular events seguencein bone remodeling:Cytological evidence fora coupling mechanism." J.Bone & Mineral Metab.7. 30-36 (1989)
• [文献書誌] Kishi,Y.,Shimozato,N.and Takahashi,K.: "Vascular achitecture of cat pulp using corrosive resin cats under scanning electron m croscope" Journal of Endodontics. 15. 478-483 (1989)
• [文献書誌] Nakano,T.,Kimoto,S.,Tanikawa,K.,Kim KT.,HigakiM.,Kawase,T.and Saito,S.: "Identification of osteoblast-specific monoclonal antibodies" Calcified Tissue International. 44. 220-227 (1989)