研究課題/領域番号 |
62304050
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大橋 靖 新潟大学, 歯学部, 教授 (30013874)
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研究分担者 |
茂木 克俊 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60013984)
和田 健 大阪大学, 歯学部附属病院, 教授 (90028788)
河合 幹 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50064788)
高橋 庄二郎 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (70085710)
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キーワード | 唇顎口唇蓋裂患児 / 顎発育 / 哺乳床 / 二段階手術 / 吸啜障害 / 頭部X線規格写真分析 / 言語成績 |
研究概要 |
1.哺乳床の早期装用による哺乳障害の改善について:哺乳床装着により哺乳速度、1日哺乳量の上昇が認められた。口蓋形態との関係では破裂幅径の大きなものほど哺乳速度の改善が著明であった(近藤・河合ら)。超音波診断装置を用いて哺乳時の舌運動を分析したところ、哺乳床未装着時には上唇、歯槽部および口蓋と舌の間で乳首を圧縮する動作が小さかったのに対し、哺乳床装着時には舌運動は大きなストロークを示し正常児のそれに近づいていた(高野・高橋ら)。 2.哺乳床の早期装用・二段階手術における顎発育について:哺乳床装着前、口唇形成術時、軟口蓋形成時、硬口蓋閉鎖時の上顎石骨模型を用いて上顎歯槽弓およびに蓋の成長変化をモアレトポグラフィ法によって測定した結果、硬口蓋閉鎖時の上顎歯槽弓および口蓋は片側成性唇顎口蓋裂、両側性唇顎口蓋裂ともに正常児と大きな差を認めず上顎骨の成長発育障害はなかった(吉岡・高橋ら)。早期に哺乳床を装用し、1才6ケ月時に軟口蓋のみ閉鎖した2段階手術群と哺乳床は用いず、手術も従来の1段階法で行った群の経年的な頭部X線規格写真による比較を行い、2段階手術群では1段階手術群に比較し、上顎前方部の前下方への成長が大きいこと、鼻中隔の湾曲が改善し、より垂直に近づくこと、中顔面高が大であることが判明した。また硬口蓋破裂縁部の形態変化を二段階手術群の上顎模型を用いて検討した結果、鼻中隔の垂直化により破裂縁部の正中方向への成長と破裂幅の縮小がみられた(中野・大橋ら)。 3.二段階手術法における言語成績:2段階手術を行った唇顎口蓋裂患者の7才時における言語の評価では、正常な言語機能が獲得されたものが68%、軽度鼻咽腔閉鎖不全と異常構音が併存いたものが24%、異常構音のみが残存したものが8%であった(和田ら)。
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