研究課題/領域番号 |
62304051
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森岡 俊夫 九州大学, 歯学部, 教授 (00028721)
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研究分担者 |
谷 嘉明 京都大学, 医用高分子研究センター, 教授 (90026881)
前田 三男 九州大学, 工学部, 教授 (80037910)
庄司 茂 東北大学, 歯学部, 講師 (10142986)
松本 光吉 昭和大学, 歯学部, 教授 (70119171)
神山 紀久男 東北大学, 歯学部, 教授 (20013881)
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キーワード | 歯牙硬組織 / Nd-YAGレーザー / 初期齲蝕病変 / エナメル質耐酸性 / 象牙質知覚過敏 |
研究概要 |
1.初期齲蝕病変部への照射 ヒト抜去臼歯のエナメル質表面に人工的初期脱灰(白斑)を形成して、Nd-YAGレーザーを照射し、エナメル質表面の耐酸性の変化について検討した。その結果40〜60J/cm^2のエネルギー密度で照射したエナメル質に耐酸性が付与されたが28J/cm^2の照射ではそれが認められなかった。またNd-YAGレーザー照射とフッ素リン酸溶液処理を併用してエナメル質の耐酸性を検討したところ、レーザー照射のみ或いは酸性フッ素リン酸溶液のみに比して、明らかに耐酸性が高く相加効果が認められた。しかもレーザー照射後に酸性フッ素リン酸溶液処理を併用してエナメル質の耐酸性を検討したところ、レーザー照射のみ或いは酸性フッ素リン酸溶液処理のみに比して、明らかに耐酸性の増強が認められ、この効果はレーザー照射後にフッ素処理することによって顕著であった。その作用機序としては、レーザー照射されたエナメル質表面に生じたマイクロ・クラックに多くのフッ素が浸透し、このフッ素が耐酸性を高めることが考えられた。 2.象牙質知覚過敏への照射 象牙質知覚過敏の本能とレーザー鎭痛効果について検討を行ったところ、歯頚部象牙質知覚過敏症の軽度の誘発痛を生じている症例に対してレーザー治療法は有効であると考えられた。作用機序に関しては、臨床的、電気生理学的研究結果より、異常に興奮した中枢側ニューロンにおいて、レーザー治療法により抹消神経を介して鎮痛作用が生じるのではないかとの結論に達した。なお、その作用は非常に弱いものと思われ、臨床知見とも一致している。 3.歯髄の石灰化に関する研究 YAGレーザー照射によってラット歯髄に石灰化現象がみられた。
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