研究分担者 |
菅田 勝也 東京大学, 医学部, 助手 (20143422)
南沢 汎美 東京大学, 医学部, 助手 (70010072)
竹尾 恵子 東京大学, 医学部, 助教授 (00114538)
野村 紀子 北里大学, 看護学部, 助教授 (20265094)
池田 明子 北里大学, 看護学部, 助教授 (90090399)
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研究概要 |
1.看護評価, 看護の質保証, 看護方式による看護内容の違い等に関する主に米国の最近の文献を収集し, 検討した. プライマリーナーシングはその他の看護方式に比べ, 質のよいケアを提供する上で効果的であるとする見解が多く, 否定的なものは希少であった. 患者や患者家族の満足度や看護婦のモチベーションを高める効果があり, 看護婦の転職や退職を抑え, 医療経済効率の点でも優れているという報告も見られる. 2.北里大学病院での, プライマリーナーシング開始後4年間の実践経過と現状がまとめられた. 患者および患者家族にはおおむね好評である. プライマリーナースはそれ以外の看護婦より仕事に対するモチベーションが高い. 実施4年目であるため確言はできないが, プライマリーナースの勤続年数はそれ以外の看護婦より延長しそうである. しかし, 現状ではプライマリーナースの育成に時間がかかり, また, 各々の看護婦のプライマリーナーシング遂行能力の査定基準が確立されていないという問題点があげられた. 3.北里大学病院小児科(乳児)病棟において,昭和62年12月の1週間, 日勤延べ34名, 準夜勤延べ12名の看護婦の看護業務時間調査を実施した. 病棟規模は39床, うち8〜9床がHCU(High Care Unit)で, 看護婦26名のうちプライマリーナース5名とアソシエートナース7名がHCUに配置されている. プライマリーナースは直接看護業務に多くの時間をあて, アソシエートナースがそれを補佐しているという構図が再確認された. 患者家族に対する面接調査では, 重症な患者の家族ほど実際に行われた看護に対する認識や評価が低く, 看護方式との明確な関係は示されなかった. 4.今後の研究課題として, 看護の質の評価方法, プライマリーナースの資格査定基準, プライマリーナース育成のための系統的な教育プログラムの作成等がある.
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