研究課題/領域番号 |
62304055
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
見藤 隆子 東京大学, 医学部, 教授 (00086266)
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研究分担者 |
菅田 勝也 東京大学, 医学部, 助手 (20143422)
南沢 汎美 東京大学, 医学部, 助手 (70010072)
竹尾 恵子 東京大学, 医学部, 助教授 (00114538)
野村 紀子 北里大学, 看護学部, 助教授 (20265094)
池田 明子 北里大学, 看護学部, 助教授 (90090399)
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キーワード | 看護ケアの質 / プライマリーナーシング / チーム・ナーシング / 看護業務 / 患者満足度測定 |
研究概要 |
今年度はこの課題の研究の最終年度であった。そこで、これまで行った調査結果の総合的な分析とディスカッションを通して、看護の質向上、質保証におけるプライマリーナーシング導入の有効性を総括し、導入に際しての問題の解決方法を検討することを中心に進めた。その結果、プライマリーナーシング遂行能力を有す看護婦が限られている現状では、チーム・ナーシングの土台の上にプライマリーナーシングを一部導入し積み上げて行くという「北里方式」は現実的であると同時に、看護の専門性に関する共通理解を深めるいう結論に達した。 この方式では、プライマリーナースがチーム・リーダーとしてもその役割を充分に取れることが前提である。そこで、リーダーを対象に役割意識調査を行なったが、専門職意識は高いものの、現実には日常的な業務の遂行に重点が置かれ、自己啓発意欲は低いことが明らかになった。 またケアの質を云うとき、その測定用具の開発が不可欠である。そこで、患者の不安と満足度を尺度とする質問紙調査票を開発し、信頼性・妥当性を検討した。そして、不安や満足に影響する要因を明らかにした。 一方、助産婦が姙産褥婦のケアにおいて、いかに専門性を発揮し、個々のケ-スに対して個別的に継続性を持ってケアしいいるかについて、北海道内4施設において実状調査を行なった。 以上よりプライマリーナースが有すべき「債務」、「権限」、「自律性」、の三つの要件は、同時に看護の専門性確立のための必須条件でもあることが確認された。また、プライマリーナーシング導入のためには、高い能力を有す看護婦の教育・養成プログラムを開発し実行に移すことが急務である。本研究の成果を踏まえ、今後その方向の研究に発展させて行くことを計画している。
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