研究課題/領域番号 |
62304057
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山之内 孝尚 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (40029765)
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研究分担者 |
宮本 博行 和歌山県立医科大学, 教授 (90029778)
木村 通郎 関西鍼灸短期大学, 教授 (50111745)
倉田 毅 国立予防衛生研究所, 部長 (50012779)
堂前 嘉代子 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (80127266)
山西 弘一 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (10029811)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 流行性出血熱 / 腎症候性出血熱 / HFRSウイルス / 実験動物 / ラット |
研究概要 |
本年度も動物実験に伴う腎症候性出血熱(HFRS)の発症は認められなかった。9機関より検査依頼の人9、ラット230、マウス25、野鼠を含む各種動物血清についてIFAを行い各々4、9、0、11、検体に抗体陽性の成績をえたが4000倍強陽性は高田が捕獲したドブネズミ1検体であった。昭和61年同じ地区から8000の高抗体価を有するドブネズミが確認されており狭い地区での野鼠汚染が注目される。他はすべて低度中等度陽性で実験ラットは何れも弱陽性であった。実験者に1名の弱陽性を認め実験ラットを含めてこれがウイルス感染の残影か否か依然として明らかでない。このような施設でも感染源となる強陽性ラットは認められない。堂前は実験感染ラット脳、肺材料を累代接種した高抗体価を示すラット脳乳材を5mg新生仔ラットipに接種して20週後血清中陰性2、陽性7例で陽性は何れも抗体価2000以上を示し、HFRSウイルス微量感染で経過と共に陰性、陽性個体が極端に分かれることが明らかし、12株のラット復水癌細胞の凍結融解液を各1リッターの新生仔ラットに接種したが40週後全てIFAで陰性を示し12株の復水癌細胞は本ウイルス汚染を受けていないことを確認した。山西はHFRSウイルスの実験感染マウスでT細胞特にL3T4、Lyt2^+T細胞、細胞障害性T細胞が感染防御に重要な役割を担うことを明らかにした。またB-1株をマウス脳に接種継代しホルマリン処理脳材料から不活化ワクチンを調整し実験的HFRSウイルス感染マウスでその免疫効果を実証した。本症回復患者が45年後も中等度(512)の抗体を保有することが明かにされたが抗体を励起維持するHFRSウイルスまたは抗原の体内定着が推定され、この実象と木村が新生仔ラットB-1株感染、死直前の脳、肺、腎等の組織細胞の細胞質に、免疫電顕像で存在を明らかにした抗原巣との関連が注目される。
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