研究課題/領域番号 |
62304060
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大沢 省三 名古屋大学, 理学部, 教授 (10034620)
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研究分担者 |
竹島 一仁 名古屋大学, アイソトープ総合センター, 助教授 (20126874)
武藤 あきら 名古屋大学, 理学部, 助教授 (80034635)
高橋 礼子 名古屋市立大学, 看護短期大学部, 教授 (90079989)
浅島 誠 横浜市立大学, 文理学部, 教授 (00090564)
高田 健三 名古屋大学, アイソトープ総合センター, 教授 (50022562)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 神経誘導 / オーガナイザ / 分化 / イモリ / コンカナバリンA / 受容体 / 糖タンパク質 |
研究概要 |
イモリ胚を用いてシュベーマンが神経誘導現象を発見して以来、分化誘導現象の解明は発生学の主要課題となっている。過去数多くの研究がなされてきたにもかかわらず、誘導物質あるいは受容体の実態に関してはほとんど判っていない。本研究では分子レベルでこれらの点について検討し、以下のような興味深い結果を得た。 1.予定外胚葉外植体において、オーガナイザの持つ神経誘導作用を植物レクチンのひとつコンカナバリンAが完全に置換しうることを発見した。また、予定外胚葉内側面の細胞表面に誘導刺激受容体が存在することを検証した。 2.可視的な分化の指標である形態形成が観察される以前に起こると思われるタンパク質レベルでの変化を検討する目的で2次元ゲル電気泳動法により分析を行った。発生時期に応じて表皮および神経組織に特異的と思われる新生タンパク質が観察された。 3.オーガナイザーの神経誘導物質は高マンノース型糖ペプチドに親和性を示す物質として細胞質と細胞間隙に存在することが推測された。 4.神経誘導刺激のレセプター糖タンパク質を解析する目的で、予定外胚葉表層から酵素誘導刺激により得た糖鎖を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果は、約30種ある糖鎖のうち少なくとも2種は高マンノース型であった。 5.予定外胚葉から神経誘導刺激受容体を含むと思われる粗タンパク画分を抗原にして、モノクローン抗体を作成した。その結果、神経誘導刺激受容体が局在する原腸胚外胚葉内側表面だけを認識するクローンを得た。 6.コンカナバリンAが初期原腸胚の腹方正中中胚葉を背方化することを発見した。この時中胚葉細胞におけるコンカナバリンAの作用部位は神経誘導の場合と異なり、細胞質器官と推定された。
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