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1988 年度 実績報告書

ショックの病態の細胞メカニズムとその制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62304066
研究機関帝京大学

研究代表者

岡田 和夫  帝京大学, 医学部麻酔科, 教授 (30082093)

研究分担者 三宅 有  東京医科大学, 麻酔科, 教授 (90074476)
小沢 高将  名古屋大学, 医学部第二生化学, 教授 (80022771)
吉武 潤一  九州大学, 医学部麻酔科, 教授 (10041386)
吉村 望  鹿児島大学, 医学部麻酔科, 教授 (60041399)
菊田 好則  帝京大学, 医学部麻酔科, 助手 (30129994)
キーワードエンドトキシン・ショック / ライソゾーム / 酸化還元電位 / ミトコンドリヤ / ロイコトキシン / 活性酵素
研究概要

ショックは臓器血流の低下を招くが、このためショック時に細胞レベルで変化が見られる。岡田は組織酸素分圧、局所組織血流について肝、脳を同時に比較検討した。そして血圧降下の度合いを次第に増やしてみて、これに応じての臓器毎の反応に差があることを認めた。次いで細胞内酸素需給バランスを見るため近赤外臓器分光光度計により細胞内チトクロームA、A_3を検討して、出血ショックの度合いに応じて臓器毎に酸素環境に差があることを確認した。小沢はショック時に白血球由来のショック原因物質の存在を確認し、これが熱傷患者の皮膚に見出されることが分かった。これが用量依存的に心拍出量低下、血圧下降を招来することを示した。さらに細胞のエネルギー代謝のもとであるミトコンドリヤの機能を障害することを示した。すなわちstate3の酸素消費速度を抑制する作用が10_<-4>M以上の濃度であった。三宅はエンドトキシン・ショックについて細胞機能を検討した。ことに活性酸素が過剰になり、このため過酸化脂質が産生されミトコンドリヤ機能が障害されるとした。キサンチン酸化酵素の活性の亢進とスーパーオキシドジスムターゼの抑制がその原因と考えられこの対策がショック時には重要な点であるとした。吉村はライソゾームがショックで最も鋭敏に障害される細胞内顆粒なので、ショック時ののライソゾーム酵素の動態を組織化学的に検索した。そしてライソゾームの形態学的変化とその酵素活性から見て各種ショック治療薬の効果を比較検討した。吉武は細胞の酸化還元電位についての検討からショックの可逆性について他のパラメーターとの比較対比を行なった。
以上の班員が総合研究としての成果を上げて、循環動態と関連させた細胞レベルの変動が各々のアプローチで研究できた。これはショックの細胞レベルから見た治療への道を開くもので有意義な成果である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] OKADA KAZUO: Microcirulation in Circulatory Disorders. 503-509 (1988)

  • [文献書誌] KIKUTA YSHINORI: Microcirculation in circulatory Disorders. 499-502 (1988)

  • [文献書誌] 宮脇武徳、吉村望 他: 麻酔. 37. 815-822 (1988)

  • [文献書誌] TANIGUCHI.S.;KODAMA K.;MATSUYAMA.H.;IRITA.K.;YOSHITAKE.J.: J.Anesthesia. 1. 125-131 (1987)

  • [文献書誌] OZAWA.T.;SUGIYAMA.S.;HAYAKAMA.M.,et al: Biochem.Biophys.Res.Commun. 152. 1310-1318 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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