研究概要 |
本年度の研究は, 初年度でもあるので, ぜんそく児やてんかん児などより重度の障害児の生理諸指標を総合的に集積し, その中からクリティカルな指標に着目し一定範囲の判定を引き出し, 同時にコンピュータ利用による障害児の体力及び療育システムの試験的な構成を目指した. また, 数回にわたる研究分担者・研究協力者の会合を通して, 基盤となる概念の共通理解を深めた. 即ち, 基本的シエマとして「病因ー病理ー徴候」のモデルと「一次予防」「二次予防」「三次予防」段階によるプロセスコントロールの概念を整理し, 各段階における基盤的指標の収集とぜんそく等の特定の疾病に関する特異的生理指標を検討した. 例えばより精度の高い, %VC, FEV, %, RR, などの肺機能の指標について, 実験的試行を通じて検討した. その結果, 呼出力関係の指標の重要性が判明した. また. 難治性のレノックス型のてんかんについては, てんかん波検出(脳波)と気温など気象パターンとの連関も解析した. また, 並行して, 自動的判定機能をめざしたマイクロコンピュータ利用のエキスパート・システムの構築に関しても, 基本となる知見の検討を行い, 特に生理諸指標の意味ネットワークのモデルと推論エンジンの構造について検討した.
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