研究分担者 |
奥田 尚 追手門学院大学, 文学部, 助教授 (00148488)
中小路 駿逸 追手門学院大学, 文学部, 教授 (30043392)
井谷 鋼造 追手門学院大学, 文学部, 講師 (60144309)
村主 恵快 追手門学院大学, 文学部, 教授 (50079373)
阿頼耶 助宏 追手門学院大学, 文学部, 教授 (80065721)
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研究概要 |
研究分担者を(A)中国班, (B)西および南アジア班, (C)東アジア班に分け, 班ごとに情報交換を行ないつつ, 個別の研究を深化させ, 合同研究会を7回にわたって実施した. 第1回合同研究会では研究代表者が, 「中国自然観の研究序芹」を報告し, 全体的な研究の方向性を示した. 第2回合同研究会では(C)班中木路が, 「古代・中世日本文学に現われた自然観ー中国唐代までのそれと対比しつつ」を報告し, 和歌と漢詩の自然観を明らかにした. 第3回では(B)班井谷が, 「イスラームの自然観」を報告し, 10世記のイスタフリの世界概念図の検討を行なった. 第4回では(C)班奥田が, 「記紀にみる王家と自然物信仰」を報告し, 日本古代史書の自然観の一端を示した. 第5回では(A)班高橋が, 「元代市民社会と自然観ー元曲の風景描写をめぐってー」を報告し, 主として庭園にみられる自然をどう曲としているかを明らかにした. 第6回では(A)班阿頼耶が, 「宋詞における自然ー観李清照詞をめぐってー」を報告し, 女流詞人の自然観を示した. (C)班上村は, 「西ヨーロッパキリスト教の《からだ》」を報告し, 西欧社会が肉体と自然についてどう認識したかを提案した. 第7回では(C)班岡崎が, 「朝鮮の自然観ー山神と水神, とくに"朝鮮寺"の問題をめぐってー」報告し, 朝鮮の原始的信仰とその展開が済洲島および大阪府下生駒山系の朝鮮寺でどうなっているかを明示した. (A)班神楽岡は, 「謝霊運の山水観ー隠逸思想とのかかわりでー」を報告し, 5世紀代の詩人が自然をどう捉えたかを示した. 予定していた第8回の中間総括が, 第7回で行なわれ, 第8回を休会とした. 研究分担者みでは不足する分野について, 都市自然の変貌(北河内と南河内・2人)・住吉社の中世(1人)・大阪三郷の近世(1人)など6人の講演を開いた. 資料調査は個別に実施したほか, 東北部九州と西部東北の現地調査を実施した.
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