研究課題/領域番号 |
62410001
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
中国哲学
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
金谷 治 追手門学院大学, 文学部, 教授 (60004016)
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研究分担者 |
奥田 尚 追手門学院大学, 文学部, 助教授 (00148488)
中小路 駿逸 追手門学院大学, 文学部, 教授 (30043392)
井谷 鋼造 追手門学院大学, 文学部, 助教授 (60144309)
村主 恵快 追手門学院大学, 文学部, 教授 (50079373)
伊原 沢周 追手門学院大学, 文学部, 教授 (00093493)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 中国哲学 / 自然観 / 中国の自然観 / 西アジアの自然観 / インドの自然観 / 朝鮮の自然観 / 日本の自然観 / 比較研究 |
研究概要 |
研究にあたっては、研究分担者を、(A)中国班、(B)西および南アジア班、(C)東アジア班に区分し、班毎に情報交換を行ないつつ、個別研究を深化させ、合同での研究会で各研究を発表・討議し、総括する方法を取った。両年度で合計十五回の合同研究会を実施した。中国哲学における自然観を中心とし、中国における自然観を中心として、東洋の諸地域諸分野を比較研究する目的は、一応は達成できた。もとより東洋というフィールドは非常に広いし、時間的にも原始古代から近現代までの長期にわたるから、東洋の自然観の全体を解明できたわけではなく、モザイク様に各部分が解明できた。人間と社会に深くかかわる諸地域諸分野の「自然観」の解明の成果は、下の通りである。 (A)班では、中国古代哲学諸家、特に儒家の場合の多分に合理主義的思想を内包する自然観、謝霊運を主対象に隠逸思想家の「美」を中心とする自然観、李清照を主対象に「生活」を詩作にまで高める宋詞の自然観、元曲を主対象として、一方では観念的でありながらも、一方では庶民の「夢」として結実する俗文学の自然観、梁啓超を通じて、進化論との対応から自然性の重視に力点を置く、近代思想の自然観が明らかにされた。(B)班では、聖典コーランとペルシャ詩を通じてみた西アジアの宗教的合理主義に基づく自然観、インドの数量観を主対象にその自然観が明らかにされた。(C)班では、生駒山中の朝鮮寺の問題などにも関連する朝鮮済州島の龍馬信仰を対象として、朝鮮の自然観、古代中世文学の風景景観描写を主対象として、多分に観念的な日本文学の自然観、井原西鶴などの文芸作品における自然描写を主対象として、日本近世文人の自然観、記紀など古代史書の伝承を主対象として、外国文化に影響される日本古代貴族の自然観、中世の東海道をめぐる旅行記の分析を通じて、移動する主体が内包していた日本中世の自然観と自然認識が明らかにされた。
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