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1989 年度 実績報告書

適応過程における目標指向性と文脈依存性

研究課題

研究課題/領域番号 62410003
研究機関京都大学

研究代表者

平野 俊二  京都大学, 文学部, 教授 (50046869)

研究分担者 塩坪 いく子  京都大学, 文学部, 助手 (30196357)
山口 正弘  京都大学, 文学部, 助手 (30191240)
苧阪 直行  京都大学, 文学部, 助教授 (20113136)
室伏 靖子  立命館大学, 文学部, 教授 (80027482)
清水 御代明  京都大学, 文学部, 教授 (20031669)
キーワード視覚情報処理 / 空間周波数 / 概念獲得 / カテゴリ- / 目標定位 / チンパンジ- / 探索行動 / 非見本合せ
研究概要

1.視覚入力情報処理(1)乾(ATR)は形態視におけるパタンの表現と構造化の研究を進め、基本的操作と考えられる最大値検出について協調と競合に基ずく神経回路の学習可能性、および、視覚記憶におけるパタンの特徴化と構造化の機構を考察した。(2)中心視と周辺視の相互作用について、苧阪は空間周波数パタンの感受性に及ぼす中心・周辺視処理システムの相互抑制と促進の効果を検討し、コントラスト感受性を規定する機序に可塑的性質が認められることを示した。
2.概念獲得の機構(1)清水は日本語にない概念の言語文脈による獲得の過程を検討し、母語にない概念を言語文脈のみによって獲得することの困難なこと、だが定義を与えられると容易にその概念を獲得できることを明らかにした。(2)比較心理学的見地から室伏はチンパンジ-のカテゴリ-獲得の機序を調べ、図形と数字による物、色、数の符号化訓練後にさまざまな対象の組合せでテストをした結果、高次カテゴリ-としての概念形成が色、物、数の順で難かしくなることが分かった。
3.目標定位(1)塩坪は10カ月前後の乳児を対象に移動反応と手伸ばしを指標に、対象探索を行わせ、反応が異なっても探索のしかたに共通する特徴がみられること、身体と対象との距離や空間配置、呈示の時間順序が選択に影響することが見出された。(2)目標定位の神経機構について、山口はオ-プンフィ-ルドにおける上丘損傷ラットの定位選択行動を分析し、目標定位に追従と矯正の機序が関与すること、上丘損傷は定位の矯正に関る向き直り反応の障害をもたらすことが示唆された。(3)系列刺激で変化を検出する継時非見本合せを用い、平野は海馬損傷ラットが刺激差が小さく刺激間間隔が長いときに、干渉によるパフォ-マンスの低下が生じることを考察した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 平野俊二: "海馬、帯状回と行動" 久保田・小野(編)行動の生理学、新生理科学大系、医学書院. 11. 336-346 (1989)

  • [文献書誌] Hirano,Toshitsugu: "A preliminary study hippocampal activity on successive nonmatching-to-sample in the rat." Hiroshima Forum for Psychology. 13.

  • [文献書誌] 室伏靖子: "チンパンジ-における数の学習" 末永俊郎ほか(編)適応行動の基礎過程、培風館. 55-68 (1989)

  • [文献書誌] 室伏靖子: "高次機能の比較心理" 鈴木寿夫、酒田英夫(編)高次脳機能の生理学 新生理科学大系、医学書院. 12. 343-352 (1988)

  • [文献書誌] Osaka,Naoyuki: "Eye fixation and saccade during Kana and Kanji text reading:Comparison of English and Japanese text processing." Bulletion of the Psychonomic Society. 27. 548-550 (1989)

  • [文献書誌] Osaka,Naoyuki: "Spread of visual attention during fixation while reading Japanese text." R.Groner(Ed.)Eye movements.Elsevier Publishing. (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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