研究課題/領域番号 |
62410009
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研究機関 | 東京国立博物館 |
研究代表者 |
村井 嵒雄 東京国立博物館, 学芸部考古課, 考古課長 (10000340)
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研究分担者 |
井上 洋一 東京国立博物館, 学芸部考古課, 先史室員 (60176451)
高浜 秀 東京国立博物館, 学芸部東洋課, 中国考古室長 (60000353)
松浦 宥一郎 東京国立博物館, 学芸部考古課, 先史室長 (00165763)
関 秀夫 東京国立博物館, 学芸部考古課, 有史室長 (50000344)
本村 豪章 東京国立博物館, 学芸部考古課, 原史室長 (40000343)
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キーワード | 日本古代 / 青銅器 / 鉄器 / 金属器製作技法 / デ-タ・ベ-ス / 自然科学的調査 |
研究概要 |
今年度は前年度に引続き、資料の収集・調査および軟X線発生装置を利用した資料の調査、金製品の金の組成分析などを行った。以下にその成果について記すが、解明できなかった点もあり、今後も研究を続けていきたい。 弥生時代の銅矛の製作法に関する新知見を得た。1つは、東京国立博物館所蔵の旧有馬家所蔵銅矛に研ぎ分けがあることを発見したことである。青銅製武器の儀器化を考える上で研ぎ分けの類例を加えたことは重要な発見であった。もう1つは、福岡県浮羽郡浮羽町小塩出土の銅矛の袋部にピンの痕跡を発見したことである。これは今までに例のないものであり、銅矛の鋳造法を解明する上で重要な手がかりとなるものである。 金製品の金の組成分析については、金製耳飾について行った。日本および朝鮮半島出土のものについて、東京国立文化財研究所の平尾良光氏の協力を得て実施した。これは、日本製のものと輸入品とを区別する基礎資料を得るためのものである。金だけのもの、銀が混じるもの、銅が混じるものなどがあった。出来の良さと金の質は比例するようであり、銅を混ぜたのは日本の1例だけであった。 今年度の最大の成果は、東京国立博物館所蔵の朝鮮半島出土の大刀に象嵌がある例を、軟X線発生装置を利用して5例ほど確認したことである。そのうち1つには銘文があった。朝鮮半島の大刀に銘文がある例は韓国に1例知られていたが、解読できたのは今回の例が初めてであり、日本の銘文大刀との比較の上で重要な資料を提供した。
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