研究分担者 |
和田 守 静岡大学, 人文学部, 教授 (80007236)
吉田 裕 一橋大学, 社会学部, 助教授 (20166979)
田崎 宣義 一橋大学, 社会学部, 助教授 (40107157)
矢沢 修次郎 一橋大学, 社会学部, 教授 (20055320)
田中 浩 一橋大学, 社会学部, 教授 (20015358)
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研究概要 |
1.大正期地方社会状況についての全国的把握を進めるため, 『大阪朝日新聞』『大阪毎日新聞』の関係記事・論説をマイクロフィルムから複写し, その整理をおこなった. また, モデル地域の一つとして取りあげている静岡県掛川市については, 『静岡民友新聞』から関係記事を抽出して目録を作成するとともに, 政治・経済・教育など各分野での地域的自立性をめざす多彩な動向を県行政をとおしての政治的再編の対抗関係について分析を進めている. 2.山形県鶴岡市, 福島県福島市, 長野県長野市, 石川県金沢市, 京都府京都市, 大阪府大阪市, 広島県広島市, 福岡県福岡市などに出張して現地調査をおこない, 農民組織, 青年団, 市民政社などの地域集団や, 『信濃毎日新聞』『福岡日々新聞』をはじめとする地方ジャーナリズムの実態について多くの具体的知見を得た. 例えば, 鶴岡市を中心とした庄内地方では農民層の分解と地主層の動揺が本格化し, 庄内耕作連盟などによる農民運動の隆盛, 飽海郡地主会, 農会事業の拡大と産業組合の普及による地域支配体制再編の実態について, 金沢市では金沢立憲青年会, 石川県立憲青年党の結成による市民政社の活発化と普選運動の進展の関連について, また福岡市では『大阪朝日』の進出と『福岡前日』『九州日報』など地元紙の防戦など地方ジャーナリズム再編の動向について, など新たな知見を得ることができた. 3.柳田国男, 徳富蘇峰らの地方論の特色について検討を進めており, 来年度は, 内務官僚の地方経営論の分析をおこなうことにしている. 4.新聞記事・論説の整理分析, 現地調査など昭和63年度も継続し, 地方政治・経済・教育・文化, 地域集団の実態につき, 研究成果のとりまとめをおこなう.
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