研究概要 |
本年は研究の初年度として, おもにCDーROMを使用したデータベース・システムのための基礎的研究を行なった. 具体的には, まずCDーROMドライブとVMEバス方式の試験用コンピュータ・システムとのインタフェース装置を製作し, CDーROMの基本アクセス特性に付きデータを採取した. CDーROMドライブ装置に内蔵されている光学ピックアップは, 大きな質量を持つことから, 従来の磁気ディスク装置のヘッドとは異なった挙動を示す. このため, アクセス速度特性も磁気ディスクメディアのものとはまったく異なった動特性となることが判明した. 従って, CDーROMメディア上のファイル編成法, インデクス構成法などについて, 磁気メディアで従来行なわれていたものを踏襲したのでは, 光学的媒体の特徴を発揮させることはできないことになる. この結果は本研究初年度の成果として別途発表する予定である. また, 学術情報センターでは, 本年度2種類のCDーROMデータベースを製作したが, そのアクセス速度向上のために本研究の成果を応用している. 次年度には, この効果についての実測を行なう予定である. 次年度の目標は, 追記型光ディスク装置を使用した画像データベースについて, 蓄積, 検索システムの基礎的研究を行なうことである. 本年度においては, この準備として, 画像入力装置の購入, 画像出力装置の整備などを行なった. 現在各装置の相互接続作業を進めているところであり, 最終的には全体がイーサネットLANで接続されたネットワーク・システムとなる予定である. 今後はさらにG3/G4ファクシミリ装置などとの接続も考慮して, 広域網も含めた画像データベース・サービス・システムのプロトタイプとして完成させ, 画像データベース・サービスの基礎実験を行なうことになる.
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