研究概要 |
第1年次の昭和62年度は,小学校・中学校・高等学校の算数・数学科のカリキュラム全体にわたる調査研究を,次の通り実施した. 1) 数学科のカリキュラムのあり方,内容の学年配当などについて中学校を中心とした選択肢形式の調査を,公立中学校教論,国立大学附属中学校教論,教育委員会・教育センター指導主事,大学教官を対象に行った. 2) 本研究の主題に関連した自由記述式の調査を大学数学教育担当教官を対象として行った. 3) 数学教育の教育課程に携わった方々を対象に,その作成過程等についてインタビュー形式で調査を行った. 4) 実際の授業研究を通して問題点を調査した. 5) 諸外国のカリキュラムの状況に関する国際教育到達度評価学会の英文報告書を翻訳し,我が国の状況と比較した. 上記の調査1)をもとに,中学校を中心として算数・数学カリキュラムについてのあり方,関連性についての考え方,集団間の差異などを分析し,報告書としてまとめた. 調査2)をもとに,各教官が記述したものを提言集としてまとめた. 調査4)の分析結果,調査1)の再分析結果,および,本研究全体会における講演などを,研究ノートとしてまとめた. 調査3)のインタビュー調査,調査5)のカリキュラム分析は,次年度にも継続して行い,報告書にまとめる予定である. 以上の本年度の分析結果から,カリキュラムの関連性を考える視点・枠組,中学校数学科カリキュラムにおける内容配当の問題点,今後の数学教育への希望など,主として数学教育を構築していく人々の意見・考え方が明らかにされた.
|