研究課題/領域番号 |
62410016
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研究機関 | 国立教育研究所 |
研究代表者 |
沢田 利夫 国立教育研究所, 科学教育研究センター, センター長 (40000062)
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研究分担者 |
瀬沼 花子 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 研究員 (30165732)
長崎 栄三 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 室長 (50141982)
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キーワード | 数学教育 / カリキュラム / 関連性 / 第2回国際数学教育調査 / 幾関教育 / 数学教育再構成運動 / 数学教育現代化 / 文字式 |
研究概要 |
本年度は、算数・数学科におけるカリキュラムの関連性に関する研究の第2年度に当たり、主として、カリキュラム分析、インタビュー調査記録報告、児童・生徒の実態調査を中心として、研究を進めた。 カリキュラム分析は、国際教育到達度評価学会(IEA)の第2回国際数学教育調査のカリキュラム分析報告書を翻訳・分析したものである。ここにおいては、世界20数か国の教育制度・数学科カリキュラムが、共通の観点から比較・分析され、その結果、わが国のカリキュラムには、質的にも高く、しかも、多くの内容が含まれていることがわかった。またこの中では、数学を学習している生徒の割合と内容の2つの側面から、「成果」という概念が提案されており、成果が高い、すなわち、できるだけ多くの生徒が、できるだけ高い内容を学習し続けるための条件は何かということが論じられており、その一つの仮設として「学習速度」があげられている。 インタビュー調査報告においては、過去の数学教育で活躍した4人の関係者の証言がまとめられている。関係者名と主題は、次の通りである。前田隆一氏は、数学教育再構成運動、固定算数教科書「カズノホン」の編纂、幾何教育のあり方についてであり、戸田清氏は、数学教育再構成運動と戦後直後の教育、島田茂氏は、文字式指導のあり方、彌永昌吉氏は、戦前、戦後の教育、数学教育現代化運動、国際数学教育委員会の活動についてである。これらの証言は、算数・数学科のカリキュラムを考えるうえで、貴重な思想的背景を与えてくれるものである。 児童・生徒の実態調査は、特に、小学校・中学校のカリキュラムの関連性に焦点を当てたものであり、認知・情意の両側面から、主題に迫ろうとしたものであり、昨年度の教師・指導主事・大学教官対象の調査結果を受けて行われたものである。この結果を現在分析中である。
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