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1988 年度 実績報告書

噴火の素過程ー部分溶融体の発泡と不安定機構ー

研究課題

研究課題/領域番号 62420011
研究機関神戸大学

研究代表者

藤井 直之  神戸大学, 理学部, 教授 (60011631)

研究分担者 宮本 正道  東京大学, 教養学部, 講師 (70107944)
前川 寛和  神戸大学, 理学部, 助手 (50173696)
伊東 敬祐  神戸大学, 理学部, 教授 (00030792)
宇井 忠英  神戸大学, 理学部, 教授 (10007164)
キーワード噴火の素過程 / 液相網の連結と臨界 / マグマ破砕と発砲 / マグマの上昇 / 不安定化機構
研究概要

前年度までの研究では、化学平衡にある部分溶融体中で固液の分離が生ずる下限の液量(臨界液量)を推定した。そして、上部マントル物質の鉱物組成及び液の化学組成によって決まる固液間の比界面エネルギーが、液相ネットワークの連結度を支配していることに起因するという結論を得た。
本年度は、(1)地上に噴出したマグマの集積である火山の空間分布及び噴火の時間間隔が、固液の分離に起因するマグマの局在化とマグマ上昇時におけるマグマソリトンの分裂という不安定化機構によって支配されていること、というマクロな視点からのモデル的考察と、(2)マグマ溜りから地表へ噴出する過程で、マグマの噴出速度やその量を支配する熱力学的な考察、発砲やマグマの破砕過程に関する不安定化機構を主に研究した。そして、マグマ中の揮発性成分の量が決め手となる発砲過程と噴煙柱のダイナミクスを決める要因との関連について考察した。マクロな視点からの噴火の空間・時間分布については、上部マクトル内の部分溶融層における液量や固液間の相対移動速度などが基本的な要因となって有効粘性率や部分溶融層のスケールが決まると結論された。そして火山の空間分布はレイリー・テーラー型不安定の波長分布に支配され、噴火の時間間隔は固液間の相対移動速度などに起因する非線形波動のふるまいによって説明できると推定された。また、噴煙柱のダイナミクスを支配する重要な因子は、マグマ上昇時における発砲過程で発生するマグマの破砕片の粒経分布である可能性が指摘された。このマグマ破砕過程は、上昇する気液混合相の不安定機構によるもので、マグマ中の揮発性成分の量、過冷却の程度、火道内の物理条件によって決まると推定された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 藤井直之: 岩石鉱物鉱床学会誌.

  • [文献書誌] Fujii,N.: Jour.Volcanol.Geotherm.Res. (1989)

  • [文献書誌] Nakano,T.: Jour.Geophys.Res. 94.

  • [文献書誌] Maekawa,H.: Earth Planet.Sci.Lett.

  • [文献書誌] 宇井忠英: 地学雑誌. 97. 59-66 (1988)

  • [文献書誌] Ui,T.: Proc.In Volcanology. 1. 201-209 (1988)

  • [文献書誌] Nakano,T.: "Melt network and critical fraction in a partially molten rock Proceedings of Kagoshima International Conference on Volcanoes" National Insitute for Research Advancement, 923 (1988)

  • [文献書誌] Makano,T.: "Melt network in a partially molten rock.in "Magma Transport and Storage",ed.by M.Ryan" John Wiley & Sons, (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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