研究課題/領域番号 |
62420015
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
小玉 一人 高知大学, 理学部・地学, 助教授 (00153560)
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研究分担者 |
前田 晴良 高知大学, 理学部・地学, 助手 (10181588)
田代 正之 高知大学, 理学部・地学, 教授 (30117014)
小澤 智生 名古屋大学, 理学部・地球科学, 助教授 (80037233)
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キーワード | 古地磁気学 / 北海道 / 蝦夷層群 / 南九州 / 内海川層群 |
研究概要 |
今年度は新たに以下の2地域の古地磁気学的研究を行った。 1.北海道蝦夷層群 旭川市北方の古丹別川、ワッカウェンベツ川沿いに分布する上部蝦夷層群羽幌川層、西知良志内層、大曲層、オソウシナイ層を対象に古地磁気層序学的研究を行った。その結果、全35サイト中16サイトから安定な古地磁気方位を得た。傾動補正後の平均偏角は約30°西偏しており、第三紀層の偏角が約60°東偏していることを考慮すると、白亜紀後期から第三紀初期にかけて北海道中央部が90°に及ぶ反時計回りの回転運動を行ったことが推測される。一方、古緯度は39°±9°で現在の緯度と比較して有意な差は無い。磁化極性はオソウシナイ層最上部の3サイトが逆極性を示すのみで、他はすべて正磁化極性であった。化石推定年代を考慮すると、これらの正磁化極性は白亜紀磁気静穏期、最上部の逆極性期はCampanian界前期のPolarity chron 33rにそれぞれ対応すると考えられる。 2.南九州の第三系 宮崎県南部に分布する上部中新統内海川層群青島層、蛇ノ河内層、双石層、下部中新統から漸新統の日南層群夫婦浦層を対象に古地磁気学的研究を行った。磁気的に不安定な試料が多く、全25サイト中、青島層1サイト、蛇ノ河内層3サイト、双石層1サイトの計5サイトのみからしか信頼できる古地磁気方位を得られなかった。これら6サイトの磁気極性はすべて逆極性で、傾動補正後の平均偏角は約30°の西偏を示した。この結果は、昨年度の研究で明かにされた種子島の中新世茎永層群の古地磁気方位の西偏と調和的である。内海川層群の微化石年代が5Maから10Maであることを考えると、種子島を含む南九州地域は5Ma以降に約30°の反時計回りの回転運動を行ったらしい。
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