研究課題/領域番号 |
62420016
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂野 昇平 京都大学, 理学部, 教授 (30019468)
|
研究分担者 |
平島 崇男 京都大学, 理学部, 助手 (90181156)
森 健 京都大学, 理学部, 助教授 (80125963)
|
キーワード | 画像解析 / 共存角閃石 / ひすい輝石の累帯構造 / 三波川帯 / フランシスカン帯 |
研究概要 |
第一年度にほぼ調整を終えたX線画像解析装置を使った研究が軌道に載ってきた。現在、広域変成岩あるいは超塩基性の鉱物の組織解析から温度圧力履歴を読み取る研究が進んでいる。現在までに、新しい研究成果として学会で発表したものは、合成試料の画像解析(森・ゴールドシュミット討論会)、共存角閃石の組成分布の決定(坂野・新正、三鉱学会)、スピッツベルゲン島産の輝石・角閃石の組成変動の画像処理(平島・第3回国際エクロジャイト討論会)、神居古たん帯のひすい輝石の累帯構造(柴草・平島、日本岩石鉱物鉱床学会誌)があり、報告準備中の物は三波川帯産輝石・ざくろ石の画像処理(平島)、フランシスカン帯の輝石の累帯構造(坂野)、領家帯のざくろ石の累帯構造(池田)等である。 主要な研究内容を次にしるす。フランシスカン帯の輝石の累帯構造は界面平衡を保って成長した物ではなく、過飽和状態からの準安定な結晶作用により成長した物である事が判った。神居古たん帯のひすい輝石の累帯構造の研究では、ひすい輝石・石英・アルバイトの空間分布をX線画像処理により正確に識別した。その結果変成圧力の指標とされるひすい輝石成分は薄片オーダーでも石英との接触関係の有無により多様性を示した。従って低温の変成岩中のひすい輝石の化学組成を地質圧力計に適用するには正確な組織解析を必要とすることが判った。領家帯のざくろ石の組成画像解析により、高変成度地域には逆累帯構造を示すものが多産することが判った。またざくろ石の成長は静的環境下で回転を伴わずに成長したことが判った。スピッツベルゲン島のエクロジャイトに含まれるオンファス輝石・ざくろ石・角閃石は多様な組成累帯構造を示している。X線画像処理により温度上昇時最高変成条件下、温度下降時に形成された鉱物を識別し高圧エクロジャイトの共生関係の解析に成功。
|