研究課題/領域番号 |
62420017
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
小藤 吉郎 徳島大学, 総合科学部, 教授 (40029872)
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研究分担者 |
金丸 文一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40029848)
斎藤 隆仁 徳島大学, 総合科学部, 助手 (60201505)
寺尾 博充 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (40035340)
水野 清 徳島大学, 総合科学部, 教授 (40087094)
塩田 次男 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (90035337)
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キーワード | 固溶体 / エクサフス / X線分光法 / 鉱物 / 局所構造 / 結晶化学 |
研究概要 |
本研究はX線吸収端の微細構造(エクサフス)の解析から、鉱物および無機化合物の局所構造を明らかにし、その知見に基づいて固溶体の結晶化学を明らかにすることを目的としている。本年度は最終年度に当るので、これまでの実験、解析を引継き行うと共に、総括を行った。 実験は、主にエクサフス測定装置および高エネルギ-物理学研放射光実験施設の装置の双方を用いて行い、解析は、大阪大学蛋白質工学研で行った。本年度は特に、希土類元素ガドリニウムを固溶させた酸化ビスマスの、組成の違いによる局所構造の解析を行った。この固溶体は酸素のイオン導電体である。酸素欠損のホタル石型構造で、酸素空孔の量は固溶体で常に一定であるが、イオン伝導率は、ガドリニウムの固溶量の増加と共に減少する。純粋な三二酸化ビスマスのホタル石型構造は高温でのみ安定であるが、固溶体では、室温でもガドリニウムの固溶量の増加と共に安定化する。エクサフスの解析の結果、ガドリニウムの周囲の酸素の配位多面体は、まぼ立方体であり、一方、ビスマスの配位は六配位から固溶量の増加と共に減少し、ひずんだ酸素の配位多面体となる。組成によるビスマス、ガドリニウムの周囲の酸素の配位多面体の変化は、吸収端のごく近傍のスペクトルの変化によっても確かめられた。固溶量の増加と共に、ガドリニウム配位多面体がクラスタを形成し、構造を安定化するが、逆に、酸素空孔を介在とした酸素イオンの拡散を阻害し、イオン伝導率は低下することを明らかにした。 以上の成果は、固体イオニクス国際会議で発表し、印刷中である。
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