研究概要 |
1.GaAs及びAlGaAsの一次電気光学効果の研究:分子線エピタキシー(MBE)装置の制御装置を設計・製作し本体に組み込んで初期調整を終了した. このシステムは, ほとんドの動作がコンピュータによってリモートコントロールされ, しかも非常に高精度の温度制御能力を有するものである. MBE法によって1次電気光学係数測定用の試料として, 良好な表面状態のGaAs/AlGaAsヘテロ接合を再現性よく形成することができるようになった. 2.1次電気光学効果によるGaAs系進行波型光デバイスの研究:LPE法による光導波路を用いた素子を試作し, 進行波動作させたが変調帯域は集中定数動作の素子よりも劣っていた. その原因が基板層(n^+層)が厚すぎるために変調電磁波の等価屈折率が大きくなり, 光波との速度整合がとれないことにあることを明らかにした. 現在, n^+層を薄くした構造のデバイスの解析・設計を行っている. 3.Band filling効果の研究:以前に行った理論計算をより詳細に行い, この効果を利用したスイッちを検討している. また,分布帰環型レーザと一体集積化した吸収型光変調器について特に端面反射率の効果について詳しく解析を行い, 反射率を0.1%以下に抑えるべきであることを明らかにした. そのための無反射コーティングの技術を確立し, さらにこの集積デバイスの試作を行っている. 4.量子井戸構造光導波路の研究:現在, MBE法によって量子井戸構造を作製するために成長パラメータの最適化を行っている. 研究分担者棚のグループでは, 量子井戸層の2次元エキシトンによる吸収スペクトル特性がキャリア密度依存性を持つことを明らかにし, この効果を用いた光変調デバイスを提案した. 現在動作の確認・素子の設計を行っている.
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