研究課題/領域番号 |
62420020
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
早川 尚夫 名古屋大学, 工学部, 教授 (60189636)
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研究分担者 |
井上 真澄 名古屋大学, 工学部, 助手 (00203258)
藤巻 朗 名古屋大学, 工学部, 助手 (20183931)
高井 吉明 名古屋大学, 工学部, 助教授 (50109287)
赤崎 勇 名古屋大学, 工学部, 教授 (20144115)
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キーワード | 超伝導デバイス / SNS接合 / InSb / 三端子デバイス / Nb |
研究概要 |
社会の情報化は急速に進んでいるが、電子デバイスなどの技術革新に支えられているのは異論が無い.しかしなおこれらに対する高性能化(高速性、高集積化、低消費電力化)の要求は時と共に厳しくなっている現状である。かかる状況にあって超伝導現象は量子効果の直接的利用、無損失・無分散の高速信号伝送路の実現など将来の高性能電子デバイスの重要な担い手になり得ると期待されている。本研究は超伝導体と半導体界面キャリアとの近接効果を電子的に制御する方法を開発し、これを超高速かつ低消費電力で動作する能動電子デバイスへの応用をはかることを目的とした。本研究は主として、Nbなどの金属系超伝導体を用いた極低温電子デバイスについて三端子素子実現の基礎的デ-タを得ると同時に高温酸化物超伝導体をも将来の重要な電子デバイスの担い手として認識し、本研究の研究対象とした。 半導体にSiとInSbを用いてSーNーS接合を作製し、超伝導エレクトロニクスに応用可能な半導体を検証すると共に、三端子素子作製のための新しいSーNーS構造作製のプロセスを開発してきた。 Siを用いたSーNーS接合においては4.2Kでキャリアがフリ-ズアウトするなどの問題があるがInSbが適切な候補として挙げられた。本研究ではInSb薄膜の作製を行い、移動度は450cm^2/V・sで、十分とは言えないものの、コヒ-レンス長が40nm、キャリア密度が10^<17>cm^<ー3>の薄膜が得られた。InSb薄膜を用いたSーNーS接合については超伝導電流が確認された。 一方、高温超伝導体を用いた平面型SNS接合も製作され、これも超伝導電流が確認された。 当科学研究費による研究実施は本年度をもって一応終了したが本研究は今後さらにInSbの膜質の向上とともに、超伝導性制御のための構造を付加し、超伝導三端子素子を作製して行く計画である。
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