研究課題/領域番号 |
62420030
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
野中 作太郎 九州大学, 工学部, 教授 (20037675)
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研究分担者 |
樋口 剛 長崎大学, 工学部, 助教授 (50156577)
袈裟丸 勝巳 九州大学, 工学部, 助手 (60112299)
藤井 信男 九州大学, 工学部, 助教授 (60101177)
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キーワード | リニアモータ / リニア誘導モータ / 新都市交通システム / ミニ地下鉄 / インバータ / 誘導機 / 電気機械 / パワーエレクトロニクス |
研究概要 |
昭和63年度設備備品として購入したリニア誘導モータ駆動システム制御装置を用いて、低速片側式LIM試験装置(三相、100kVA、25Hz、440V)をPWMインバータ(150kVA、0.5〜80Hz)で駆動するシステムを完備した。速度をフィードバックしながら、インバータに指定のプログラムで滑り周波数制御をかけたときのリニア誘導モータ(LIM)に力行・回生時の速度制御試験及びそのシミュレーションの結果から、次の事柄が明確となった。 1.LIMの場合、端効果のために周波数が高くなるほど速度対推力曲線の傾斜が緩やかになる。したがって、通常の回転形誘導機の滑り周波数制御と同様の方法で、定格周波数までは一定滑り周波数で、また定格周波数以上において滑り一定制御を行なう場合、力行と回生を同一のV/f(電圧と周波数の比)一定パターンを用いると、特に下り勾配での回生ブレーキが十分に得られない場合がある等、不都合が生じるため、力行、回生それぞれのモードの対して適切な電圧と周波数の比を設定するのが望ましい。定電流駆動ではインバータのディジタル制御は複雑になるが、直接推力を制御できるために良好な運転ができる。 2.本用途を対象にした低速LIMの場合、各周波数における最大推力は大きな滑りで得られるため、十分な推力を発生させるためには滑りをかなり大きく選定しなければならない。一方、特に電力消費量の面でのランニングコストを低くするためには、効率が最大になる低滑り運転が好ましい。したがって、これらの双方をバランス良く考慮するためには、定滑り周波数制御よりもむしろほぼ滑りを一定にする制御が望ましいと考えられる。その場合の滑り値は、単位容量当りの出力がほぼ最大になる当を選択なることで決定できる。ただしこの場合、特に始動直後や停止直前での運転周波数が低いところで、非常に大きな吸引力が発生するため、リアクションレールやLIM一次鉄心の取り付けには十分な強度が必要である。
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