研究課題/領域番号 |
62420032
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
益 一哉 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20157192)
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研究分担者 |
坪内 和夫 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (30006283)
御子柴 宣夫 東北大学, 名誉教授 (70006279)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1990
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キーワード | コ-ルドエレクトロニクス / 半導体集積回路 / 低温動作 / 冷却技術 / 過渡温度シミュレ-ション / デバイスシミュレ-ション / マイクロチャネルフィンパッケ-ジ / 温度スケ-リング則 |
研究概要 |
半導体集積回路は、超高速、超高密度の要求にしたがって年とともに集積化が進行している。既に現在において、高速動作のため消費電力を必要とする論理集積回路の集積度は、放熱限界で制限されつつある。本研究では、従来研究開発の行われていたジョゼフソン論理回路を使うクライオエレクトロニクスではなく、シリコン半導体集積回路の延長上に、超放熱/超冷却(〜80K)構造型デバイスの開発によって、コ-ルドエレクトロニクス集積回路の基礎を築くことを目的としている。 昭和62年度から平成2年度までの研究を遂行し以下の結果を得た。 (1)MOS型及びバイポ-ラ型集積回路のための超放熱構造として、マイクロチャネルフィンパッケ-ジを提案した。マイクロチャネルフィンパッケ-ジは、チップ内で局所的に発生した熱を高速で拡げる高熱伝導AIN保護膜と発熱した熱を速やかにとるマイクロチャネルフィンから構成される。従来の放熱技術では、チップ当りの放熱限界は、水冷で数十W/cm^2 空冷で数W/cm^2程度である。我々が開発した三次元過渡温度シミュレ-ションの結果、マイクロチャネルフィンパッケ-ジでは、水冷で1.5kW/cm^2、空冷で30W/cm^2の放熱が可能であることを示した。 (2)低温動作超高速MOS型デバイスの最適設計理論として、温度スケ-リング則並びに温度・寸法スケ-リング則を提案した。我々が開発した低温動作デバイス用デバイスシミュレ-タを用いて、液体窒素温度動作MOSFETの最適電源電圧が1〜1.5Vであること、また0.1μmチャネルMOSFETのゲ-ト遅延時間が77Kで1.6psecになることを明らかにした。また、温度スケ-リング則を用いると微細形状効果、単チャネル効果共に軽減されることを明らかにした。 (3)低温動作高速E/D構成MOSFET集積回路として、低仕事関数金属LaB_6を用いたMOS型デバイスを試作し、77Kでデプレッション動作することを確認した。 以上のように、研究計画に沿って研究を遂行し、コ-ルドエレクトロニクスの基礎を築くことができたと確信している。
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