研究概要 |
本年度は, 放射波を有効に利用する技術として (1)光ファイバ埋込デバイス構成方法の開発 (2)導波路間結合用光ビーム変換位相板の開発 (3)アンテナ結合型導波路作製のための導波路加工技術の確立をとりあげて研究を行なった. (1)では光機能素子を光ファイバに作製した溝に挿入する構造を提案し,この際の回折光波による損失を抑える方法としてファイバのドーパントを拡散させる方法を考案した. 従来,石英系ファイバのドーパントは熱処理によっても拡散しないものと考えられていたが,実験の結果充分拡散する事実を見い出した. (2)では,異種光デバイス間を放射光の位相を制御して接続あるいは分岐する新しい位相板を考案し,その基本原理と設計手法を明らかにした. その応用として1本の単一モードファイバから2本の単一モードファイバに分岐・結合する位相板を作製した. 製作にはCAD及びビーム露光を用いて電子ビームレジストをパターニングする方法を用いた. その結果,所望の分岐・集光特性をもつ位相板が得られた. (3)では,低損失光導波路を作製するのに必要な反応性イオンエッチング技術の確立を目指した. 石英系材料を対象にして光の進行方向に滑らかな構造を実現するため,フォトレジストをマスクとして石英をエッチングするための条件を探した. その結果,従来主に使用していたCF_4等のガスをCHF_3ガスに代え,レジストに感光性ポリイミドを用いることによりエッチングレート比が約5程度になる条件を見い出した. これにより低損失な石英系導波路が期待できる.
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