研究分担者 |
野田 茂 京都大学, 工学部, 助手 (80135532)
古田 均 京都大学, 工学部, 講師 (70109031)
渡辺 英一 京都大学, 工学部, 教授 (30026174)
家村 浩和 京都大学, 工学部, 助教授 (10026362)
藤井 学 京都大学, 工学部, 教授 (30031074)
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研究概要 |
本研究の目的は, 土木構造物に作用する組合せ荷重の性状を, 確率過程論を用いて評価するとともに, 構造物にそれらの荷重が作用した場合の終局限界状態を載荷実験より明らかにし, 限界状態設計法開発のための基礎資料を得ようとするところにある. 本研究の初年度である昭和62年度に得られた研究成果の概要は次のとおりである. 土木構造物の代表例としてPC斜張橋を取り上げ, 構成部材の各種限界状態と重要な検討項目について取りまとめた. まず主桁の使用限界状態としては, パーシャルPCを採用した場合のひび割れ限界状態, 活荷重や風荷重による振動限界状態が考えられる. 同じく主桁の終局状態としては, 斜材調整力と活荷重による断面破壊限界状態が考えられる. さらに疲労限界状態としては, 活荷重や風荷重による応力振幅の照査が必要である. 一方主塔の終局限界状態としては, 断面の破壊限界状態, 変形の限界状態, 座屈限界状態などの検討が必要であることなどが明らかとなった. 上述のPC斜張橋のRC塔や高層建物のRC柱では, 変動高軸力を受けると共に, 2軸曲げが同時に作用し, 繰返し荷重下における弾塑性挙動が極めて複雑になる. こうした部材の終局限界状態を明確にするため, 新しく開発したハイブリッド曲げ地震応答載荷実験を実施し, 柱部材の剛性やエネルギー吸収能の劣化過程を追求した. その結果, 同部材の破壊過程は, 最大応答変位と累積エネルギー吸収量より定義される損傷度関数(Damage Index)でかなり精度よく表現できることが判明した. また2軸曲げ作用下における弾塑性繰返し変形挙動についても, コンクリートと鉄筋の材料構成則から, 精度よく解析的に予測可能であることを示し, これを実際の構造物にも適用する数値解析法を提案した.
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