研究課題/領域番号 |
62420042
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中原 信生 名古屋大学, 工学部, 教授 (70115608)
|
研究分担者 |
伊藤 尚寛 名古屋大学, 工学部, 助手 (30192496)
相良 和伸 三重大学, 工学部, 助教授 (30109285)
久野 覚 名古屋大学, 工学部, 助教授 (70153319)
辻本 誠 名古屋大学, 工学部, 助教授 (90115600)
|
キーワード | インテリジェントビル / 床吹出空調システム / 低温空調方式 / 室内上下温度分布 / ル-バ-付き照明器具 / モデリング / 2層モデル / 火災危険度評価 |
研究概要 |
1.前年度の基礎実験に引き続き、床吹出空調システムの室内環境性能評価に関する系統的な実験を行った。室内温度分布の観点からは吹出気流の到達距離が大きな影響を与え、室高さの2倍以上の到達距離を与えれば上下温度分布の発生は回避されることなどが明らかにされた。さらに、経費で購入した心電図計等を用いた被験者実験から、空気吹出条件着座位置等と居住者の生理心理反応との関係を求めた。これらの結果に基づいて、床吹出方式の設計法に関する考察を行った。2.床吹出空調時の室内上下温度分布を計算するためのマクロモデルを展開した。室下部の完全混合域と上部の一次元拡散域からなる熱収支式を基礎とするモデルであり、実験結果からパラメ-タを同定するとともに、精度を検証した。3.知識情報作業空間の照明環境に関して、モデリング(人の顔の見え方)を評価基準としてル-バ-照明の是非を検討し、併せて照度による指標の確立を試みた。その結果、VDT作業では光源の映り込みを排除すれば室の明るさ感によって照明環境が定まり、その指標として鉛直面照度が適切であることが示された。モデリングについては顔の明るさ感が大きな影響を及ぼし、鉛直面照度がその指標となることが示された。また、オフィス照明レベルにおいても順応レベルの影響は無視できないようであり、これを考慮した評価式を提案した。以上の成果よりル-バ照明は若干問題があるなどの結論が得られた。4.ワ-クステ-ションの導入に伴って火災危険性がどのように変化するかを、避難安全性を評価軸として検討した。オフィスレイアウト、火災加重、想定火源の影響について考察し2層ゾ-ンモデルに基づくシミュレ-ションモデルを構築して計算を行った。主な結果として、出火フロアでの危険度はそれほど変化しないが、上層階への煙伝搬速度が初期火災時に大きくなること等が判り、防災安全計画上の重要な情報が得られた。
|