I.建築物の形状事例分析 1988年度に作られた建築形態記述言語仕様に基づいて、建築形態記述から形態情報へと変換するプログラム「CONSTRUCTOR」を用いて、実際に各種建築物の形状入力を試み、建築形態記述言語仕様の有効性を調査した。この結果として、 (1)形状入力に際して、レファレンス・ライン(柱通り等を表現する補助線)の記述が、形態を記述するために必要であり、建築形態そのものの記述ではない補助表現的な記述のための言語仕様を確定する必要性があること、 (2)表現された建築形態記述が、3次元空間に存在するものとして矛盾(ふたつの部材が同一場所を占めること等)していないこと、建築として利用可能であること(人間が移動すること、ドア等が開閉可能なクリァランスがあること等)等の記述の整合性をチェックする機能が必要なこと、 (3)ある記述表現から、建築形態上、他の形態記述が相関していることが多く(例えば、ある部材を利用するとその周辺部材は殆ど選択の余地がないことが多い)、記述要素間の「文脈性」を考慮する必要があること、 が判明し、仕様およびプログラムの修正の必要性が明らかとなった。 II.建築形態記述言語の仕様書作成とプログラム化 上述の結果から、建築形態記述言語の仕様の改善とプログラムの修正を試みた。
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