研究課題/領域番号 |
62420054
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉田 直亮 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (00127317)
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研究分担者 |
仲井 清眞 九州大学, 工学部, 助手 (60038114)
木下 智見 九州大学, 工学部, 教授 (50037917)
室賀 健夫 九州大学, 応用力学研究事, 助教授 (60174322)
蔵元 英一 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (30013519)
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キーワード | 核融合炉材料 / 中性子照射損傷 / 透過電子顕微鏡 / ボイド / 積層欠陥4面体 / 2段温度照射 / 温度依存性 / 陽電子消滅寿命測定法 |
研究概要 |
RTNSーIIや原子炉による中性子照射、さらにタンデム加速器による重イオン照射など種々の高エネルギー粒子により金属・セラミックスを照射し、透過電子顕微鏡法及び陽電子消減寿命測定法を用いてカスケード損傷下の格子欠陥形成過程について研究を行い、以下の成果を得た。 (1)FeーCrーNi3元合金について、200℃/350℃の2段のRTNSーII照射を行い照射温度の変動が損傷組識の形成に及ぼす影響について調べた。その結果200℃で形成された転位ループが350℃で起るボイドスエリングに大きな影響を与える可能性があることが明らかになった。 (2)RTNSーII及びOWRで照射した316ステンレス鋼の損傷組識の詳細な比較を行い、核分裂ー核融合相関について研究した。その結果、90℃の比較的低温ではdpaで整理かることによって良い相関が得られるが290℃ではRTNSーIIの欠陥の形成効率を悪いことが明らかとなった。この原因としては、カスケード効果よりむしろ損傷速度効果が重要ではないかと考えられる。 (3)MgOーAl_2O_3系、WC、Ge及びZrO_2ーY_2O_3系等の各種セラミックスの高エネルギーイオン及び中性子照射下でカスケードの性状並びに形成しきいエネルギーを求めた。その結果、多少材料に依存なるがカスケード損傷のしきいエネルギーは数10KeV程度であることが明らかになった。さらに低エネルギー粒子照射によるカスケード構造の変化を調べ、カスケードの安定性について詳細な研究を行った。 (4)各種の照射を受けた純鉄及び鉄クローム合金について陽電子消滅寿命測定を行い、次の様な結果が得られた。すなわち、中性子、電子線いづれの照射でもマイクロボイドが形成されるが、格子間原子集合体の形成はPKAスぺクトルが高エネルギー側にある原子炉照射で顕著となる。
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