研究概要 |
1.自然淘汰型進化機械の最適運転の理論的検討を行った. その結果, (1)塩基配列空間上の淘汰値の地形の予想が重要であることを確認した. 例えば長さ150bpの遺伝子をfdファージに組みこんだ場合, 進団のサイズは10^<12>にできるので, 3点の点突然変異体の総スペクトルきら最適配列を得るには, 最適配列の淘汰係数が+0.1なら40時間の連続培養でよい. 従って従来から行ってきた淘汰値の地形のマッピングを詳しくやっておく必要がある. (2)資化性や毒性の淘汰圧をかけるためには, セルスタットプロセスの途中に培地交換プロセスを導入する必要があるが,こうしても安定運転可能な条件を求めた. 通常のfdファージの場合は可能である. (3)アイゲンの機種のモデルを検討し,突然変異率の高い場合の生存競争の強さをあらわすパラメータは, 各突然変異体にアサインされるような個別淘汰値ではないことがわかった. それは, 淘汰値の地形から導びかれる周囲の突然変異体との共同体にアサインされるもので突然変異率にも依存する自由淘汰値と呼ぶべきパラメータである. 2.人為淘汰型進化機械の設計の基礎. (1)イオン感応性FETによるpHセンサーで, 参照電極から塩橋を除くことにより, 20mlの生化学反応をモニターできる安定なセンサーができた. (2)感染大腸菌(キャリヤーセル)のクローニングのために, セルソータが具備すべき最小限の仕様を検討した. 光散乱モニターで1000クローン1回が実現した. 3.壁成長の生物学的防除. Fピリをもつが1ピリをもたない大腸菌株×4-4のfdファージ連続培養系への適用可解性を検討し良好な結果を得た.
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