研究課題/領域番号 |
62430002
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
坪村 宏 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (20029367)
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研究分担者 |
小林 光 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90195800)
中戸 義禮 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (70029502)
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キーワード | アモルファスシリコン / 太陽電池 / プラズマCVD法 / 光電気化学 / 金属微粒子 / 酸化物薄膜 / 半導体電極 / 水素発生 |
研究概要 |
アモルファスシリコン(aーSi)および関連する半導体を電極に用いて、太陽光により水を分解し、太陽エネルギ-を化学エネルギ-に効率よく変換する新しい型の湿式太陽電池を開発することを目的として、一昨年度、昨年度に引きつづき研究を進め、本年度は次のような結果を得た。(1)積層aーSi半導体の接合部に関するこれまでの研究結果を踏まえ、単結晶p型Si/n型aーSi/pーiーn接合aーSi/pーiーn接合aーSi/白金薄膜/電解質水溶液という構造のタンデム型光電極を作製し、これと酸化ルテニウム対極とからなる湿式光電池で水の光分解を行い、太陽エネルギ-の化学エネルギ-への変換効率として3%という世界最高の値を得た。一層の効率向上にはaーSi半導体自身の膜質の改良が重要であることが明らかとなった。(2)超微細な白金アイランドを施した半導体を用いる新型の湿式太陽電池の開発の基礎研究として、数nmの大きさで空間分布のできるだけ揃った金属アイランドを結晶Si電極表面に付ける新しい方法を検討し、コロイド状白金粒を作製し付着する方法、白金を電着する方法、イオン・クラスタ-・ビ-ム蒸着法などを試みた。溶媒(クロロホルム)に溶かした長鎖アルキルアンモニウムクロライドで水溶液中の塩化白金酸イオン(PtCl_6^<2->)を抽出し、ホルムアルデヒドで環元する方法により作製したコロイド状白金粒をSi上に付けた場合、白金粒子の大きさはXRD法から10ー15nm、SEMから0.1ー1.0μmと推定され、開回路光電圧(Voc)は0.62Vと従来のpーn接合太陽電池のもの(0.59V)より大きかった。白金を電着する方法では0.6VのVocが得られた。この方法は白金アイランドが均一につき、大きさや間隔を制御しえるという特長をもつことがわかった。(3)超微細な金属アイランドを施す方法をpーInP単結晶電極上での光水素発生反応に適用し、太陽光(AM1)照射下で化学エネルギ-変換効率9.1%を得た。
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