研究課題/領域番号 |
62430004
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
原田 一誠 東北大学, 薬学部, 教授 (70011583)
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研究分担者 |
外山 聡 東北大学, 薬学部, 教務職員 (60217560)
橋本 慎二 東北大学, 薬学部, 助手 (50192696)
竹内 英夫 東北大学, 薬学部, 助教授 (30111454)
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キーワード | 紫外共鳴ラマン分光 / 調節蛋白 / 蛋白ー核酸相互作用 |
研究概要 |
1.光学系の改良等により、ラマンスペクトル測定の励起光を213nm〜300nmの範囲で約10nm毎に選択できるようになった。これにより、芳香族発色団(芳香族アミノ酸側鎖、核酸塩基)ついて、着目する発色団の共鳴ラマンスペクトルをほぼ選択的に観測することが可能となった。 2.cAMP受容タンパン質(CRP)の240nm励起のラマンスペクトルが、その構成する芳香族アミノ酸のラマンスペクトルの和では再現できないという現象が観測できた。芳香族アミノ酸のモデル化合物の溶媒効果を検討した結果、側鎖の環境によってラマンバンドの強度が大きく変化することを見い出した。さらにCRPの場合では、いくつかのチロシン側鎖がかなり疎水的な環境にあることが解った。 3.cAMPーCRP複合体では、266または253nmを励起光とすることで分子量46,000のCRPに取り込まれた1分子のcAMPのラマンスペクトルを選択的に観測できた。cAMPモデル化合物の同位元素置換、溶媒効果を検討した結果、cAMPはCRP結合時にNーグリコシド結合回りのコンフォメ-ションがsynとなっていることが明らかになった。 4.選択的重水素ラベルしたオペレ-タ-DNAを合成した。今後、cAMPーCRPと結合した合成オペレ-タ-のラマンスペクトルを測定する。これにより、CRPの結合に伴うオペレ-タ-の構造変化を、特定の塩基について選択的に観測できるものと期待される。
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