研究課題/領域番号 |
62430006
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山本 嘉則 東北大学, 理学部, 教授 (60029519)
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研究分担者 |
山田 順一 東北大学, 理学部, 助手 (90191311)
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キーワード | 非環状系立体制御 / アサイクリックステレオコントロール / クラム体 / アンチクラム体 / 電子移動還元 / 共役付加 / ヒドリド還元 / 有機銅化合物 |
研究概要 |
非環状系のケトン(1)をヒドリド還元すると(例えばLiAlH_4)クラム異性体(2)を優先的に生成する。これに対し(1)を電子移動経由の反応で還元すると、アンチクラム体(3)が優先的に得られることを見い出した(式1)。詳細な結果を表1にまとめた。LーセレクトリドやLiAlH_4では例外なくクラム体が得られる(entries1、2、7、8、12、15、18)。一方、Liー液体アンモニア、N_2ーエタノール、サマリウムアイオダイドなどを用いる還元ではアンチクラム体が優先する。 また、γ位に不斉点をもつα、βー不飽和カルボニル誘導体に有機銅化合物を共役付加させると通常はアンチ付加体が生成するが、電子移動過程を経由して付加する場合はシン付加体が得られることが判明した。この様に共役付加の立体選銑性は試薬の電子供与能力(RCuかR_2CuLiか)に依存する。一方で、マイケル受容体の電子の受け入れやすさによっても立体選択性が支配される。たとえば、還元電位が-1.52eVのニトリル誘導体では電子移動によりシン体が生成し、還元電位が-2.0eV程度のエステル誘導体では直接的な求核付加反応によりアンチ体が優先的に生成する。
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