研究課題/領域番号 |
62430007
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
速水 醇一 京都大学, 教養部, 教授 (30025283)
|
研究分担者 |
松原 孝治 京都大学, 教養部, 助手 (50026811)
松本 澄 京都大学, 教養部, 教授 (20026818)
児嶋 真平 京都大学, 教養部, 教授 (80026012)
大谷 晋一 京都大学, 教養部, 教授 (10026768)
|
キーワード | 同位体効果 / 速度論的同位体効果 / 質量分析 / 高分解能質量分析 / 全分子質量分析 / 同位体存在比 |
研究概要 |
平成2年度においては、日本電子(株)製2重収束型高分解能質量分析計の全システムを用いて、オルトジクロロベンゼンなどの含塩素有機化合物の分子イオンピ-ク(Mピ-ク)、M+2ピ-ク、M+4ピ-クなどについて、加算平均を繰り返しても、面積強度比の再現性が最高4桁精度から向上しない理由を追求した。 また、Whole Molecule Mass Spectroscopyの報告例のほとんどにおいて使用されているHewlettーPackard社製の4重極型質量分析計による追試を行って、高分解能質量分析計との対比を行った。 Flat Top条件下での面積強度の記録を子細に検討した結果、現行システムでは、数値デ-タの全桁数だけのダイナミックレンジが与えられていない可能性と、ピ-ク立ち上がりの判定に若干の疑問を抱くに至ったので、製作会社のシステムエンジニアと協議した結果、いずれも事実であることが判りオフラインでの改善方法を探ることを協議したが実現に至らなかった。但し、現状でも、測定条件を選べば、4重極型質量分析計の総合精度よりは約1桁はよい強度デ-タを得ることが出来るのでこの点での本研究の着目点の正しさは確認された。 高分解能装置と異なって、デ-タ積算開始立ち上がりの早い4重極型質量分析計について強度比デ-タの時間推移を検討した結果、やや意外であったが、M+2/M比を小さくする要因は試料のIsotopic Fractionationであることと、高分解能装置でも、4重極型装置でも、このFractionationが間違いなく実現されていることを確認できた。また、比較的天然存在比に近い強度比は、キャリア-ガスによる送りだし溶出によって実現されていることも明らかとなって、比較的少量の試料の可及的全分子に関する加算の重要性が再認識された。
|