研究課題/領域番号 |
62430008
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 信男 東北大学, 理学部, 教授 (10006025)
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研究分担者 |
井村 久則 茨城大学, 理学部, 助教授 (60142923)
斎藤 鉱一 東北大学, 理学部, 助教授 (90004457)
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キーワード | 溶媒抽出 / 金属錯体 / 液体クロマトグラフィ- / ポルフィリン / 薄層クロマトグラフィ- / 化学種分析 / 有機ヒ素 / 不足当量法 |
研究概要 |
前年度に引きつづき、超微量金属の分離法として溶媒抽出法および液体クロマトグラフィ-に注目し、また化学種分析法としての不足当量法の可能性に注目して研究を行った。 溶媒抽出に関しては、メルカプトトロポンを抽出試薬とする抽出系がとり上げられた。鉄(III)と銅(夫I)は酸性溶液から完全にベンゼン中に抽出され、マンガン、コバルト、ニッケル、亜鉛、鉛(いずれも(II))は弱酸性〜中性領域で抽出可能であることが明らかになった。 液体クロマトグラフィ-による金属化学種の分離に関しては、希土類のポルフィリン錯体を対象にした逆相液体クロマトグラフィ-が研究された。薄層法では、オクタデシシリカゲルとアミノプロピルシリカゲルを固定相とする系での保持挙動が比較された。アミンを含有する移動相を用いることにより、希土類のポルフィリン錯体が解離することなくクロマトグラフ分離可能になることが見い出された。 化学種分析法に関しては、ヒ素化学種に注目して研究が進められた。モノメチルアルソン酸とジメチルアルシン酸をハロゲン化物抽出法によってベンゼンに抽出し、これらのメチル化ヒ素化学種に不足当量の亜鉛ジエチルジチオカルバミン酸錯体を反応させ、未反応のメチル化ヒ素化学種を除去することにより、メチル化ヒ素今学種を一定量だけ分離する方法を開発した。試料に放射性ヒ素でラベルした無機ヒ素(III)、(V)、モノメチルアルソン酸、ジメチルアルシン酸をスパイクし、不足当量分離された各ヒ素化学種画分について放射能測定を行うことにより、試料中のヒ素について化学種分析することが可能になった。海藻試料の分析に適用され、有用性が実証された。
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