研究分担者 |
長谷 義隆 熊本大学, 教養部, 助教授 (40040109)
渡辺 一徳 熊本大学, 教育学部, 助教授 (10040049)
豊原 富士夫 熊本大学, 理学部, 講師 (20011752)
尾崎 正陽 熊本大学, 理学部, 助教授 (50040118)
津末 昭生 熊本大学, 理学部, 教授 (20011512)
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研究概要 |
初年度に日立製走査型電子顕微鏡本体Sー650を購入し,次年度にKEVEX社製X線分析システムDELTAー1を購入,前年度に購入したSEMと組合わすことにより定量分析システムとして完成させた.研究テ-マはマントルから地殼物質,変成岩から火山岩まで多岐にわたり,それぞれの分野で多くの成果をあげることができた.以下にその主要なものを述べる. (1)九州中西部肥後変成帯の変成分帯を行い,全体としての温度構造が明らかになった.また高温部でのミグマタイトの分布状況が明らかとなった.最高温部では,泥質岩中に斜方輝石が産し,その共成関係と鉱物組成を分析した.(2)スペインのロンダカンラン岩体中のガ-ネットの周りのkelyphite rimについてのマイクロプロ-ブを用いた分析し,kelyphite形成時の物質移動を明らかにした.(3)北海道幌満カンラン岩体について蛍光線分析装置により全岩化学組成を求め上部マントルの部分熔融とマグマの集積過程のモデル化を行った.(4)オ-ストラリアのLachlan Fold Beltに産するミグマタイトとSーtype花崗閃緑岩について,研究を行い,地殼の部分熔融にともなうメルトの分離と結晶分化過程を明らかにした.(5)愛媛県高月山花崗岩類についてEDSを用いて造岩鉱物を分析し,二つの岩石タイプの鉱物共成関係の特徴を明らかにした.(5)熊本市地下に分布する砥川安山岩溶岩中の気泡の分布を計測し,熔岩中の気泡の上昇過程をモデル化した.(6)佐賀県唐津高島の地殼物質ゼノリス中に見いだされた微細な部分溶融組織を見いだしEDSにより詳細な分析研究を行った.
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