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1987 年度 実績報告書

耐熱合金の高温耐酸化性皮膜に対する希土類元素効果とその機構

研究課題

研究課題/領域番号 62430014
研究機関東京工業大学

研究代表者

齋藤 安俊  東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (40005236)

研究分担者 伊藤 義孝  東京工業大学, 工業材料研究所, 助手 (70016822)
丸山 俊夫  東京工業大学, 工学部, 助教授 (20114895)
阿竹 徹  東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (30028229)
キーワード耐熱合金 / 高温酸化 / 保護性皮膜 / 密着性 / 希土類元素効果 / ペロブスカイト型酸化物
研究概要

耐熱合金の耐酸化性において最も重要である保護性皮膜の密着性について,希土類元素の効果を検討した. まず,N_iー20Crー1Si合金にSc,Y,La,Er, Ceを微量添加して,その酸化挙動を空気中,1473Kで調べた. 希土類元素の添加は酸化速度を低減した. また,Scを除く希土類元素の添加は冷却時の剥離を抑制しており,保護性のCr_2O_3皮膜と合金との密着性を著しく高めることが明らかとなった. この皮膜組織を既存の走査型電子顕微鏡と新規に講入したエネルギー分散型X線マイクロアナライザを用いて解析した. 無添加およびSc添加試料では皮膜/合金界面が平坦であるが,他の希土類元素添加試料では皮膜が合金内に木の根状に入り組んだ"keying-on"組織せ呈していた. また 酸化物皮膜中には折出物としての希土類元素を含む酸化物は検出できなかったが,これらの希土類元素はCr_2O_3皮膜の性質に大きな影響を与えていると考えられる. そこで,金属Crの表面にSc_2O_3,Y_2O_3,La_2O_3,CeO_2を塗布して,酸素中,1373Kで酸化実験を行った. この場合も酸化速度は減少し,Sc_2O_3を除く希土類元素酸化物の塗布は剥離を抑制した. また,無処理のCr上に生成するCr_2O_3は(110)配向をしているが,Y_2O_3などを塗布すると,この優先配向は消滅する. 希土類元素酸化物ーCr_2O_3系状態図によると,Sc_2O_3はCr_2O_3に約18mol%固溶するが,他の酸化物は固溶せずペロブスカイト型の化合物を生成することが分かる. この化合物はCr_2O_3の粒界に折出し,皮膜中の物質移動に影響を与えることが考えられる.
ペロブスオイト型の化合物としてYCrO_3を取り上げ,高温での物質移動に関する知見を得るために,電気伝導度を酸素分圧の関数として測定した. その結果,低酸素分圧では酸素空孔濃度が大きく増大することが示唆され,Cr_2O_3皮膜の粒界にYCrO_3が折出する場合には,粒界における酸素の拡散が促進することが考えられる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yasutoshi Saito: Mat. Sci. Eng.87. 275-280 (1987)

  • [文献書誌] Yasutoshi Saito: Proc. 172nd Meeting of The Electrochemical Society. (1988)

  • [文献書誌] 丸山俊夫: セラミックス. 23. (1988)

  • [文献書誌] Yasutoshi Saito: Proc. MRS Intern. Meeting on Advaced Materials. (1988)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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