研究課題/領域番号 |
62430015
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山科 俊郎 北海道大学, 工学部, 教授 (40001193)
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研究分担者 |
福田 伸 北海道大学, 工学部, 助手 (30189948)
広畑 優子 北海道大学, 工学部, 助手 (00189896)
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キーワード | プラズマ / セラミックス / 表面改質 / 薄膜 / プラズマ診断 / プラズマ窒化 / ガス窒化 / 発光スペクトル |
研究概要 |
昭和63年までに、ECRプラズマ源、発光スペクトル測定系、プラズマ電子温度・密度計測系の製作を完了して、制御プラズマによる表面改質の例として、ジルコニウムの窒化実験を試みた。プラズマの放電圧力基板温度、放電パワ-、基板印加バイアスを変えて窒素プラズマにより表面窒化を行った。また、プラズマを用いないガス窒化との比較も行った。 プラズマを用いた場合、ガス窒化に比ベて比較的低温(500〜600℃)でも窒化が進行した。また、高温になるにつれプラズマ窒化とガス窒化との差はみられなくなった。低圧の放電プラズマを用いた場合、同じ圧力のガス窒化に比べて特に低温で著しく窒化が起こった。低圧下では、プラズマ電子温度は高く、窒素イオン種の強い発光スペクトルがみられた。これらの結果から、窒素イオン種が効果的に窒化に寄与していること、また窒素イオンにより低温下でも窒化が進行することが分った。今まで、一般に窒化は窒素ラジカルにより引き起こされると信じられてきたが、本研究において窒素イオンの方が窒化に有効であることを明らかにした。 窒素イオンの効果をより明確にするため、基板に負のバイアスを印加して窒化を試みた。印加電圧とともに窒化がより進行し、この傾向は低温例でより顕著であった。また、発光スペクトル測定からも印加電圧とともに窒素イオン種が増加していくことが分った。 以上、プラズマによる窒化では窒素イオン種が効果的に窒化を引き起こすこと、また窒素イオンを多くするように制御すれば、より窒化を促進できることが分った。
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