研究分担者 |
相沢 益男 東京工業大学, 工学部, 教授 (00016742)
中浜 精一 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016410)
小見山 二郎 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016574)
阿部 明広 東京工業大学, 工学部, 教授 (50114848)
戸田 不二緒 東京工業大学, 工学部, 教授 (80011021)
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研究概要 |
この研究は,高分解能NMR法を主要な手段として,蛋白質および蛋白質モデル化合物の種々の環境のもとでの高次構造を決定し,高次構造と機能の関係を明らかにすることを目的にしており,(1)糖蛋白質,(2)酵素と人工酵素,および(3)蛋白質モデル化合物,のそれぞれの高次構造解析を分担課題として昭和62年度から3年間にわたり実行する. 初年度にあたる今年度は主に溶液状態での高次構造と機能を研究することとした. 各分担課題に関する今年度の研究実積は以下の通り. カッコ内は分担研究者名. 課題(1)では糖蛋白質のモデルとして,ガラクトサミン基結合スレオニン残基を含むオリゴペプチドを合成し,高次構造と糖ーペプチド間相互作用を調べた(中條・井上). 課題(2)では人工酵素としてシクロデキストリン(CD)を取上げ,化学修飾基としてイミダゾール基などを導入したCDの酵素類似活性(戸田),グリコシル分岐を持つCDの高次構造と基質取込み能力(山本)をそれぞれ調べた. また種々の酵素の遺伝子をつないだ結合蛋白質プロテインAの遺伝子をプラスミドに組込んで大腸菌に導入し,遺伝子の発現条件を検討した(相沢). 課題(3)では,一連のモデルペプチドCH_3CONHCH(R)CONHCH_3についてNMRとエネルギー計算によりコンホメーションを決定し(安部),電荷を持つ蛋白質のモデルとしてポリ(Lーリジン塩酸塩を取上げ,そのヘリックスーコイル転移に及ぼすイオン強度の影響を調べ(小見山),またバリノマイシンのような天然イオノホアのモデルとしてカルボン酸型ポリエーテルを合成してその高次構造を調べ(中浜),さらに蛋白質が高次構造を形成する際の水素結合の役割を評価するために,オリゴペプチドの炭素ー13化学シフトと水素結合距離の関係を検討した(安藤). 次年度は溶液状態に加えて固体状態についても高次構造と機能を検討する予定である.
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