研究課題/領域番号 |
62430025
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
長谷川 修司 千葉大学, 医学部, 助教授 (20009640)
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研究分担者 |
五ノ井 透 千葉大学, 真核微生物研究センター, 助手 (30134365)
黒見 坦 千葉大学, 医学部, 助手 (30009633)
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キーワード | マウス骨格筋 / 発達 / Caチャンネル / Naチャンネル / 内向き整流Kチャンネル / シナプス形成 / 平滑筋 / 自律神経 |
研究概要 |
1.培養系で交感神経線維の分布を促進する370KDaの蛋白 370Kda蛋白の生体での役割を明らかにするため、部分精製分画を用いて抗血清を作製した。抗血清は培養系で370KDa蛋白による交感神経の密分布を阻害したが、一般の神経線維の成長には影響を及ぼさなかった。孵化直後のニワトリに6ーhydroxydopamineを連続投与すると、血管、心、腎、脾などで交感神経が消失したが、投与をやめると徐々に回復してきた。投与後、抗血清を注射すると交感神経の回復は部分的に阻害された。以上の結果より培養系で交感神経線維の分布を促進する蛋白は生体においても、交感神経が再生し標的器官にシナプスを形成する際に重要な役割を果していることを示している。 2.イオンチャンネルの発達と神経支配 哺乳類の発達にともなう骨格筋イオンチャンネルの変化を調べる目的で,マウス後肢の指の筋より、コラゲナ-ゼ処理により単一筋線維を得、wholeーcellバッチクランプ法により内向き整流K電流を記録した。生後0日から8日目までの筋線維においては、瞬時に活性化されその後減少する成分(ldecay)のみが内向き整流電流として20mM〔K^+〕_0中で観察された。生後12日を過ぎるとldecayに加え、持続性の成分(lsteadyーstate)、ゆっくりと活性化される成分(lrise)が観察されるようになった。生後4日目、16または20日目に筋の支配神経を切断すると、lsteadyーstate、lriseの発達は正常筋の10分の1以下に抑えられ、これらの内向き電流の発達には神経由来の何等かの因子が必要であることが示唆された。 3.神経細胞の生存促進因子 ニワトリ脾臓細胞の条件培養液(CM)は交感神経細胞の生存を促進するが、NGFの阻害剤K252aにより抑制されなかった。また、抗マウスNGF血清による抑制も受けなかった。これらの成績は、CMがニュ-ロンの生存を促進する細胞内機序がNGFによる機序とは異なることを示唆している。
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