研究課題/領域番号 |
62440002
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮地 重遠 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (40013312)
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研究分担者 |
三原 佐代子 東京大学, 応用微生物研究所, 教務職員 (70107449)
福澤 秀哉 東京大学, 応用微生物研究所, 助手 (30183924)
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キーワード | カ-ボニックアンヒドラ-ゼ / 無機炭素濃縮 / クラミドモナス / アナシスティス / 高CO_2要求性突然変異株 / カ-ボニックアンヒドラ-ゼ遺伝子 |
研究概要 |
1(1)クラミドモナス細胞表層カ-ボニックアンヒドラ-ゼ(CA)をコ-ドするcDNAを単離し構造を明らかにした。CAは一本のRNAから、シグナルペプチド、大サブユニット、小サブユニットがつながった形の41.6kDa前駆体タンパク質として合成されると考えられた。cDNAの塩基配列から予想されるアミノ酸配列は、ほ乳類のCAアイソザイムと約20%の相同性を示した。亜鉛を保持するのに必要なアミノ酸が特に保存されていたが、動物のCAでは単量体に存在するこれらの残基はクラミドモナスの場合には大小両サブユニットに分かれて存在した。クラミドモナスCA大サブユニットにはアスパラギンを介した糖鎖の結合部位3か所が存在した。 (2)細胞表層CAのcDNAに対応する遺伝子CAH1を単離し構造を調べた結果、10個のイントロンによりエキソンは11個に分断されていた。 (3)転写産物量の変動を調べた結果、CAH1 mRNAの誘導にはCO_2濃度の低下に加えて光が必須であることが明らかとなった。 2アナシスティス温度感受性、高CO_2要求突国変異株を相補する野生株のゲノム領域を同定した。変異株は41℃において細胞内に蓄積した無機炭素を固定する能力が野生株に比べ著しく低下しており無機炭素利用の促進に未知の因子が関与していることが明らかとなった。野生株ゲノムの3.8kb BamHI領域を含むクロ-ンによりこの変異株を形質転換すると、無機炭素固定能が回復することが認められた。従ってこのゲノム領域内に、細胞内無機炭素の利用に関与する遺伝子が存在するものと推測された。この3.8kb BamH夫領域はリブロ-スビス燐酸カルボキシラ-ゼ/オキシゲナ-ゼ遺伝子の約20kb下流に存在することが明らかになった。またこのゲノム領域から0.5kb mRNAが合成されることが認められ、遺伝子発現が起こっていることが示唆された。
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