研究課題/領域番号 |
62440006
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学一般
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
原 郁夫 広島大学, 理学部, 教授 (50033824)
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研究分担者 |
武田 賢治 山口大学, 教育学部, 助教授 (50155008)
宮本 隆實 広島大学, 理学部, 講師 (00090548)
渡辺 旬 広島大学, 理学部, 助教授 (80033900)
櫻井 康博 広島大学, 理学部, 助手 (80205814)
早坂 康隆 広島大学, 理学部, 助手 (10198830)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | 飛騨帯 / 領家帯 / 日高帯 / 三波川帯 / 造構運動像 / 変形様式 / P-T-t-D path |
研究概要 |
本研究の目的は、研究代表者と研究分担者及び数多くの研究協力者が、長年の研究を通して構築して来た日本のテクトニック・コラ-ジの形成過程の造構運動像を、巨視的ー顕微鏡的ー電子顕微鏡的スケ-ルの構造特性、変形史と変成史の関係の解析による変形時相の変化に伴なう温度・圧力条件の変化の決定に基づく変成帯のP-T-Dpathsに関する情報、変成鉱物の年代測定によるDの項の絶対年代値への読みかえによるP-T-t-Dpathの決定などにより、造構運動像のより妥当なモデルを確立することにあった。飛騨帯においては宇奈月帯で研究を進め、特に宇奈月地域の宇奈月帯において変形史を確立し、中生代前期火成活動史の造構論的位置づけを明確にし、火成活動に伴なう運動像の解明に成果をあげることができた。鳥帽子山スラストは基底花崗岩マイロナイト形成年代の決定から230Maとされた。このスラスト後約20Maして花崗岩活動が始まるが、活動は広域的破砕帯の形成とともに起こり、約180Maの花崗岩貫入の最終時相は東方へのフェルゲンツを示す剪断運動によって伴なわれ、飛騨帯のナップ化が進行したことが明らかにされた。領家帯においては古期花崗岩貫入時の運動像と貫入値良く後の巨大マイロナイト帯の形成を伴なう運動の運動像とこの期間における岩石・鉱物(特に石英・カリ長石)の変形様式が解析され、領家帯のナップ的運動と岩石破砕(シュ-ドタキライト様岩の形成)鉱物の破砕(アルトラマイロナイトの形成)鉱物の塑性変形の様式が決定された。日高帯ではグラニュライト帯を対象として変形史を確立し、P-T条件の変化の中で岩石の変形様式の変化と活動した火成岩類の型が決定され、はじめ破砕現象の進行する中で沈み込む海嶺に由来するマグマの貫入があり、ついで上昇する過程でカルクアルカリ岩の貫入があったことが明らかにされた。三波川帯においては特に四国中央部においてP-T-t-D pathが決定された。
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