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1988 年度 実績報告書

後天性免疫不全症(AIDS)の治療におけるトキソプラズマ抗原の役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62440020
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

鈴木 直義  帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (10003071)

研究分担者 佐藤 基佳  帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (50003140)
三上 正幸  帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (40003107)
斎藤 篤志  帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (10002263)
三浦 弘之  帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (90003079)
広瀬 恒夫  帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (60003076)
キーワードトキソプラズマ可溶性成分 / TLA / 免疫賦活物質 / BRM / -IFN誘導 / NK細胞活性誘導 / T-細胞誘導
研究概要

トキソプラズマ原虫の可溶性抗原成分(TLA)は生物応答修飾物質(BRM)の1つとして生体に非特異的感染防御能を賦与し現象的には生体内でのT-リンパ球増殖と-インターフエロンなどのサイトカインやマクロフアージの活性化などを誘導することが、既に明らかにされている。そこで本研究では宿主の微生物感染症、特にT-リンパ球動態に強い影響を及ぼすウイルス感染に伴うトキソプラズマ感染症の病態に対するTLA投与の生体応答の基礎的研究に主点を置いた。実験結果を要約すると以下のごとくになる。1)免疫賦活物質としてのTLAをマウスに投与すると、マウス生体内にナチユラルキラー(NK)細胞及びT-細胞、B-細胞が脾臓、肝臓に増加する。2)健康マウスにToxoplasma原虫を感染すると、感染初期にNK細胞及びT-細胞が脾臓内に増加するが、強毒株Toxoplasma感染では全例が死亡する。一方、TLA感作マウスに同一強毒株Toxoplasmaを感染しても生残する例が認められる。その生残例では、脾臓及び肝臓にNK細胞とT-細胞の集簇が極めて顕著である。3)Toxoplasma慢性マウスにToxoplasmaを感染すると、NK細胞は軽度に相対的増加するが、流血中にγ-IFNが出現しマクロフアージの活性化も認められる。4)健康マウスにメチルコランスレン(MC)を接種して誘導した自家腫瘍に対してTLAを接種すると腫瘍の増殖が遅延する傾向が観察されている。これらの学術成績の討議を重ねるため、西ドイツ・ボン大学でのトキソプラズマ原虫とAIDS感染セミナー(9月15日〜17日、1988年)及びオランダ・アムステルダムでの第8回世界熱帯医学会(9月18〜23日、1988年)で公表し多くの関心を集めた。したがって、TLAは極めて低毒性成分であるために、BRMの1つとして今後、より精細に基礎検討をおこなうことは学術的意義のみならず、その一部は社会的要請にも答え得る可能性を秘めていると考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 鈴木直義 他: Biotherapy. 2. 96-98 (1988)

  • [文献書誌] 斎藤篤志 他: Biotherapy. 3. 329-333 (1989)

  • [文献書誌] Saito,A;et al: Zbl. Baht. Hgg. I. Abt. Orig,A.266. (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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