研究課題/領域番号 |
62440020
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
鈴木 直義 帯広畜産大学, 畜産学部・家畜生理学講学, 教授 (10003071)
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研究分担者 |
佐藤 基佳 帯広畜産大学, 畜産学部・獣医臨床放射線学講座, 助教授 (50003140)
三上 正幸 帯広畜産大学, 畜産学部・肉畜保蔵学講座, 助教授 (40003107)
斉藤 篤志 帯広畜産大学, 畜産学部・家畜生理学講座, 助教授 (10002263)
三浦 弘之 帯広畜産大学, 畜産学部・肉畜保蔵学講座, 教授 (90003079)
広瀬 恒夫 帯広畜産大学, 畜産学部・獣医臨床放射線学講座, 教授 (60003076)
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キーワード | トキソプラズマ溶解抗原 / TLA / オビオアクチオ / 免疫賦活・調整物資 / Killer細胞 / 単核細胞誘導 |
研究概要 |
トキソプラズマ原虫由来の溶解抗原成分(TLA)は生物応答修飾物質(BRM)の一つとして宿主投与によって非特異感染防御能を賦与する。また、トキソプラズマ原虫感染ウシ免疫血清由来の免疫調整物質(オビオアクチン)はマクロファ-ジ(Mp)の抗微生物能を亢進する。そして、これらの併用投与は感染抵抗性を強く増大する。そこで、本研究では移植腫瘍に対するTLAおよびオビオアクチオの免疫賦活・調整作用機序の基礎的検討をおこなった。実験結果を要約すると以下の如くった。1.TLAをマウスに投与すると単核細胞が、とくに脾臓内に増加した。2.TLA感作脾臓細胞をTLAと共に培養すると細胞障害性細胞の誘導が認められたが、付着性細胞(Mp)を除くと細胞障害活性は消失した。この培養上清中には正常脾臓細胞から腫瘍細胞に対する障害活性も1Lー2活性も認められなかった。TLA感作脾臓細胞をTLAと培養した群の^3Hーthymidineの取り込みの増量が正常脾臓細胞に比較して強く認められた。一方、オビオアクチン感作マウス脾臓単核細胞数の腫瘍細胞移植による減少は非感作マウスに比較して著しく軽度であった。その感作脾臓単核細胞をオビオアクチンと添加培養しても細胞障害活性は極めて軽度か殆ど確認されなかった。このような免疫賦活(TLA)および調整物質(オビオアクチン)をマウスに筋肉内投与するとBabesia、Plasmodium原虫感染、あるいはスクレピ-ウイルス感染および移植腫瘍の増殖に対する抵抗性賦与が顕著に認められた。しかし、Tーリンパ球欠損ヌ-ドマウスでは上記の抵抗性は全く賦与されなかった。これらの事を総括すると、TLAは抵抗提示細胞としてのMpを活性化し、ついでTーおよびBーリンパ球に対して抗体産生、細胞障害性細胞の誘導等による生体の抵抗性賦与に主として関与する。そして、オビオアクチンは、とくに脾臓内免疫担当細胞の質量的生体調整に強く関与する生物活性を有すると推察した。
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